モネ、ピサロ、ルノワール——絵画の枠を超えて彼らを結びつけるのは、ノルマンディーやイル=ド=フランスの美しい風景に心を奪われたという共通点。 そんな印象派の画家たちが愛した風景をたどる旅へ出かけてみませんか? 個性豊かな村々や、名作の舞台となった美しい風景に出会える、のんびりとした1週間の旅。印象派の時代にタイムスリップするような、心ときめく旅が待っています。
1日目:芸術の香り漂うパリを散策
Paris
印象派の巨匠たちの足跡をたどる文化の旅は、芸術とロマンスの都・パリから始まります。まずは緑豊かな癒しの空間、チュイルリー公園をゆったりと歩き、そのまま世界中のアートファンを魅了する名画の宝庫、オルセー美術館へ。モネ、ルノワール、シスレー、ピサロなど、印象派を代表する画家たちの作品が、光と色彩の革新を物語ります。
日が暮れる頃には、セーヌ川のクルーズ船に乗り込みましょう。船内では、印象派の成り立ちや魅力を深く掘り下げるエキスパートによるレクチャーも。旅の幕開けを飾るこの夜、あなたは印象派の世界へと誘われます。
2日目:芸術家に愛された村・バルビゾン
Barbizonパリから南東へおよそ60km。フォンテーヌブローの森のふもとにひっそりと佇むバルビゾン村は、芸術と自然が溶け合う、小さな美の世界です。
印象派の誕生に先駆けてこの地に集った“バルビゾン派”の画家たちは、村の風景に魅せられ、創作のインスピレーションを求めて筆をとりました。
そんな彼らの足跡をたどりながら、のどかな村を散策してみませんか?あちこちに、名作が生まれた舞台が静かに息づいています。
途中には、画家たちがかつて滞在した宿をそのまま活かしたバルビゾン画家美術館へ。ここでは、当時の雰囲気を感じられる展示に加え、講座やアート体験なども楽しめ、19世紀の芸術の熱気を今に伝えています。
旅の締めくくりには、仲間と語らう穏やかな夕べを。
バルビゾンで過ごす一日は、きっと心に残る静かな感動を届けてくれるはずです。
3日目:モネとパリをめぐる、あらたな発見の旅へ
Paris
旅の3日目は、再びパリで芸術に浸るひとときを。
ブローニュの森のほど近くに佇む マルモッタン・モネ美術館 。19世紀の優雅な邸宅を利用したこの美術館には、クロード・モネの作品を世界最多の規模で収蔵しており、彼の芸術の歩みをじっくりと味わうことができます。ほかにもドラクロワ、ブーダン、マネ、ドガ、ピサロ、ゴーギャンといった巨匠たちの名画が並び、訪れる人を魅了してやみません。
夕暮れ時には、セーヌ川を下ってマント・ラ・ジョリへ。そこから、次なる目的地はノルマンディーの風情ある村・ジヴェルニー。印象派の詩情が息づく場所へ、旅はさらに深まります。
4日目:クロード・モネに愛された、美しき村ジヴェルニー
Givernyパリから北へ約75km。ノルマンディーの小さな宝石のような村、ジヴェルニーへようこそ。
クロード・モネが心から愛し、晩年を過ごしたこの地は、彼の創作の集大成が生まれた場所でもあります。1926年に亡くなるまで、モネはこの風光明媚な村で筆をとり続けました。
色彩豊かな自邸や、伝説的なアトリエを訪れながら、彼の世界観にじっくりと浸ってみてください。
咲き誇る草花、水面にゆれる光――モネの名作を生んだ庭園が、今も変わらぬ美しさで迎えてくれます。
時間に余裕があれば、ジヴェルニー印象派美術館にもぜひ足を運んでみてください。
充実した芸術のひとときを過ごしたあとは、次なる目的地ルーアンへと向かいます。
5日目:印象派に彩られた古都、ルーアン
Rouen
ルーアンへようこそ。色とりどりの木組みの家々が並ぶ、趣あふれる街並みがあなたを迎えます。港に到着したら、印象派ゆかりのスポットをめぐるガイドツアーにぜひご参加を。
「百の鐘楼が連なる街」とも呼ばれるルーアンは、何と言ってもゴシック様式の傑作 ノートルダム大聖堂で知られています。クロード・モネをはじめとする多くの印象派画家たちがこの大聖堂に魅了され、モネはなんと30点もの連作でその姿を描きました。
市内にあるルーアン美術館も見逃せません。印象派をはじめとする名作がそろうコレクションは、芸術ファンにはたまらない空間です。
そして締めくくりには、知識人や芸術家たちにも愛された老舗「ブラッスリー・ポール Brasserie Paul」で、美味しいひとときを。ルーアンでの一日が、より味わい深いものになることでしょう。
6日目:オンフルールと、アルバトル海岸の海岸沿いの景色
Honfleur旅もいよいよ6日目。次なる寄港地は、絵のように美しい港町オンフルールです。パステルカラーの家々が並ぶこの海辺の村は、数多くの印象派画家たちの創作意欲をかき立てた場所でもあります。中世の面影が色濃く残る旧港のまわりをそぞろ歩けば、石畳の小道や趣ある家並みに、彼らの足跡がそっと重なります。
ぜひ、地元出身の画家ウジェーヌ・ブーダンの作品を中心に展示する、ウジェーヌ・ブーダン美術館 にも立ち寄ってみてください。その豊かなコレクションは、印象派の源流に触れる貴重な体験となるはずです。
午後は、ル・アーヴルからほど近いアルバトル海岸へ。白くそびえる断崖と、刻一刻と表情を変える光のコントラストに、きっと心を奪われることでしょう。かつての画家たちが筆をとった風景が、今もなお、静かに語りかけてきます。
7日目:ル・アーブルへ
Le Havre旅はオンフルールへの到着でひとまず幕を下ろしますが、印象派の冒険はまだ終わりではありません。
最終日となる7日目は、歴史と芸術に触れる旅の締めくくりとして、モネの名作《印象・日の出》の舞台となった街、ル・アーヴルへ足を延ばしてみましょう。
ル・アーヴルへはバスで気軽にアクセスでき、途中にはノルマンディー大橋やセーヌ河口の自然保護区を望む美しい車窓風景も楽しめます。
街に着いたら、まずはアンドレ・マルロー近代美術館にへ。印象派の名作が収められた洗練された空間で、旅の余韻をじっくり味わえます。
そして旅の締めくくりは、星付きレストラン「ジャン=リュック・タルタン Jean Luc Tartarin」での特別なひととき。洗練された料理と温かな雰囲気の中、印象派の世界を巡る旅にふさわしい、贅沢なフィナーレをお楽しみください。
環境に配慮した旅のすすめ
心を動かす風景に出会ったとき、絵を描きたくなる——そんな気持ちがふと芽生えることはありませんか?
印象派の画家たちが愛し、筆をとった風景をたどる、7日間の特別なクルーズへご案内します。
出発日や料金の詳細、ご予約は、CroisiEuropeの公式サイトをご覧ください。

by Dosio Charlène
独立系ジャーナリスト、写真家、映画監督。テーマはウィンタースポーツ、社会、アウトドア、文化、フェミニズムが中心。