アートと歴史が息づく リールを巡る3日間

アートの渦に飛び込む:ツール・ド・フランスとFiestaで賑わう夏のリールへ

オー・ド・フランス

  • 時間3日間

Mathieu Lassalle
© Mathieu Lassalle

この記事は 0 分で読めます2025年7月1日に公開

2024年のパリ五輪を機に、リール・メトロポールは「訪れるべき街」として大きく注目されました。そして2025年、リールはその勢いを受け継ぎ、再び大規模な観光イベントを迎えます。

7月5日にはツール・ド・フランスのグラン・デパール(開幕スタート)が開催され、さらに第7回目となる文化フェスティバル「lille3000 Fiesta」も開幕。

歴史と文化が息づく、バラエティ豊かなリールの街を象徴するモデルコースで、その魅力を体感してみましょう。


1日目:歴史薫る旧市街「ヴュー・リール Vieux-Lille」を歩く


旧証券取引所

La Vieille Bourse, Place du Général de Gaulle, Lille, France

1652~1653年にかけてジュリアン・デストレによって建てられた、リールを代表するバロック建築の傑作・旧証券取引所 La Vieille Bourse

グラン・プラスと劇場広場の間に位置し、17世紀のリールの経済活動を今に伝える重要な建物です。中庭では古本市が開かれ、夏の夜にはタンゴのデモンストレーションも開催。華やかな装飾美は必見です。

 旧証券取引所

© Mathieu Lassalle

ノートル・ダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂

Cathédrale Notre-Dame-de-la-Treille, Place Gilleson, Lille, France

かつてフランドル伯の居城があったとされる場所に建つノートル・ダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂 Cathédrale Notre-Dame-de-la-Treille

着工は1854年、完成は1999年と、なんと145年の歳月を経て1999年に現在のファサードが完成しました。
伝統と現代が融合した独特の外観が、訪れる人々の好奇心をくすぐります。

 ノートル・ダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂

© Pascaline Chombart MEL

オスピス・コンテス博物館

Musée de l'Hospice Comtesse, Rue de la Monnaie, Lille, France

1237年、ジャンヌ・ド・フランドル伯爵夫人の宮殿跡に建てられたこの施療院は、長らく病人や巡礼者を受け入れてきました。

現在はオスピス・コンテス博物館 Musée de l'Hospice Comtesseとして公開されており、常設展ではリールの歴史をたどることができます。
「Fiesta」開催中は特別展「The Distorted Party」もご覧いただけます(~2025年11月9日)。

オスピス・コンテス博物館

Tour de la cour d'honneur- Hospice Comtesse

シタデル公園

Citadelle de Lille, Avenue du 43e régiment d'infanterie, Lille, France

広大な城塞を囲む110ヘクタールの リール城塞公園 Citadelle de Lille は、市民の憩いの場。。
園内には動物園やアトラクションパーク「Cita-parc」もあり、家族連れにもぴったり。運河沿いの散策もおすすめです。

 シタデル公園

© JDHondt


2日目:アートの渦に飛び込もう
「Fiesta」で彩られるリールを巡る1日


リール美術館(Palais des Beaux-Arts)

Palais des Beaux-Arts de Lille, Place de la République, Lille, France

19世紀に建てられた壮麗な建物内には、ルーヴル美術館に次ぐフランス有数のコレクションが収蔵されています。
ロダン、アントニー・ヴァン・ダイク、ルーベンス、ドラクロワ、ゴヤ、クールベなど、名だたる巨匠の作品が並びます。

北フランスの歴史を物語るような多彩な展示は、時代や様式を越えて訪れる人を魅了。期間限定の特別展も定期的に開催され、誰でも気軽に楽しめます。

2025年はFiestaにあわせて、9月1日まで「フランドルの祭と祝祭 Fêtes et célébrations flamandes」、11月9日まで空間全体をダイナミックに変貌させるフェリス・ヴァリーニのインスタレーション Éclats en échos も開催。

リール美術館(Palais des Beaux-Arts)

© Laurent Javoy

リール市庁舎の鐘楼(ベフロワ)

Beffroi de l'Hôtel de Ville de Lille, Place Augustin Laurent, Lille, France

アール・デコ建築の傑作として名高いこの鐘楼は、建築家エミール・デュブイッソン Émile Dubuisson によって1932年に建てられました。戦後の再出発を象徴するこの建物は、コンクリートやレンガ、貴重な素材を組み合わせた壮大な造りが特徴です。高さ104メートルの展望台からは、リールの街並みが一望できる圧巻の眺望が広がります。街の歴史と精神に触れるなら、ぜひ訪れたいスポットです。 

予約は▶こちら  (英語・フランス語)

リール市庁舎の鐘楼(ベフロワ)

© Laurent Javoy

トリポスタル(Le Tripostal)

22 Avenue Willy Brandt, Lille, France

1950年代に郵便仕分けセンターとして建てられた建物が、2004年の「欧州文化首都リール」をきっかけに現代アートの発信拠点へと生まれ変わりました。美術館でもアートセンターでもない、アートと生活が交差するユニークな空間です。

リール・フランドル駅とリール・ヨーロッパ駅の間という好立地にあり、3フロア(各2000㎡)の広大な展示スペースでは、Fiestaの主要展示のひとつ「Pom Pom Pidou」を開催中。ポンピドゥー・センターの傑作を通じて、現代アートとポップカルチャーが交差する驚きの世界を体験できます。

Pom Pom Pidou

Expo Pom Pom Pidou ©Manon Contay


3日目:リール近郊の多彩な魅力を巡る旅


ヴィラ・カヴロワ(クロワ)

Villa Cavrois, Avenue du Président John Fitzgerald Kennedy, Croix, France

近代建築の巨匠ロベール・マレ・ステヴァンス Robert Mallet-Stevens が1932年に手がけた代表作で、リールからわずか20分の距離にあります。繊維業で財を成したポール・カヴロワ Paul Cavrois の依頼により建てられたこの邸宅は、「現代の城」とも呼ばれ、当時の最先端技術が詰め込まれた建築の粋を今に伝えます。

長年放置され荒廃していたものの、1990年に歴史的建造物に指定され、国の手により13年をかけて当時の姿に修復されました。

ヴィラ・カヴロワ(Villa Cavrois)

© Laurent Javoy

ルーべのラ・ピシーヌ美術館

La Piscine - Musée d'art et d'industrie André Diligent de Roubaix, Rue de l'Espérance, Roubaix, France

1932年に建てられたアール・デコ様式の旧市民プールが、2001年にアートと産業をテーマにした「ラ・ピシーヌ・アンドレ・ディリジャン美術館 La Piscine – Musée d’art et d’industrie André Diligent 」として生まれ変わりました。

絵画、彫刻、テキスタイルアート、現代美術など幅広い作品を展示し、建築そのものもアートの一部。かつてのプールを囲むように展示が並び、ステンドグラスから差し込む光が幻想的な空間を演出しています。

ルーベ工芸美術館「ラ・ピシーヌ」

© Laurent Javoy - Hello Lille

スタブ・ヴェロドローム(ルーべ)

Stab Vélodrome, Rue Alexandre Fleming, Roubaix, France

自転車ロードレース「パリ〜ルーべ」の聖地近くにある、迫力満点の屋内競技施設「スタブ・ヴェロドローム Stab Vélodrome」。

シベリア産カラマツ材で造られたオリンピック仕様のトラックは、最大傾斜44度、全長250m。
パリ2024大会の公式トレーニング施設としても使用され、国際大会や体験プログラムも開催されています。スポーツの臨場感を肌で感じたい方におすすめのスポットです。

スタブ・ヴェロドローム

© Pascaline Chombart MEL

実用情報とおすすめポイント

滞在をより満喫するなら「リール・シティパス」の利用がおすすめ!
メトロポール内の公共交通機関が乗り放題、27以上の観光施設や美術館への入場も無料に。
72時間パスなら、ノール=パ・ド・カレ地方のTER(地方列車)にも24時間アクセス可能です。
詳細・購入はこちら▶ https://booking.lilletourism.com/city-pass.html?origine=switchLangue


ツール・ド・フランス開幕週には「Feel Lille, Taste the Tour」も開催。大会にちなんだ特別メニューが楽しめるレストランや、ビール醸造所をめぐる徒歩・自転車ツアーなども実施されます。
詳細はこちら▶ https://en.lilletourism.com/explore/hello-culture/major-events/grand-departure-of-tour-de-france-2025/feel-lille-taste-the-tour/

ツール・ド・フランス気分を味わえる!ユニークなメニュー

ツール・ド・フランスにちなんだ、遊び心あふれるレストランメニューが登場しました。
その名も「マイヨ・メニュー」シリーズ。各賞ジャージにインスパイアされた4種類のメニューは、ネーミングも内容もユニークで、子どもから大人まで楽しめます。

マイヨ・ブラン(新人賞)

・10〜12歳くらいまでのお子様向け
・メイン料理+デザート
「最優秀ヤングライダー賞」にちなんだ、ジュニア向けメニュー。子どもが好きなメニューを中心に、ボリュームもお子さまサイズで安心。

🟢 マイヨ・ヴェール(スプリンター)

・さくっと食事を済ませたい方に
・前菜+メイン または メイン+デザート
スプリンターの証、マイヨ・ヴェール。スピーディーに食べられる“軽めのセット”は、観光の合間や時間がないときの食事にもぴったりです。

🔴 マイヨ・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞)

・しっかり食べたい方に
・前菜+メイン+デザート
山岳ステージの王者にちなんだメニューは、まさに“大食漢向け”。3コースのフルセットで、満足感もしっかり。

🟡 マイヨ・ジョーヌ(総合優勝)

・地元の味をじっくり堪能したい方に
・前菜+メイン+デザート+地域のドリンク(地ビールや地元産ワインなど)
ツールの頂点に立つマイヨ・ジョーヌにふさわしく、地元食材を活かした料理に、地域のドリンクを添えた“ご当地満喫セット”。その土地ならではの味が楽しめます。

 

ツール・ド・フランスを愛する人も、そうでない人も、思わず笑顔になる「マイヨ・メニュー」。気軽に食でもツールの世界を体感してみませんか?(2025年7月8日まで)

by France.fr編集部

France.fr編集部はフランスのトレンドや最新のニュースをお届けします。

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