AOC、AOPは高品質チーズの証(原産地呼称統制)

食料品の品質保証 AOC (原産地呼称統制)

AOC(Appellation d'origine contrôlée)

AOCは、伝統的な製法で作られた質の高い食料品を広く一般の消費者に知ってもらうために作られたフランスの品質保証制度で、元となる法律は1955年にまでさかのぼります。特にワインやチーズなどの酪農製品を対象とし、AOCを取得した製品の質の高さは、1992年、EUにも認められました。
500種類にもおよぶフランスチーズのうち、AOCを取得しているのは、わずか45種。(2018年9月時点)
AOCを取得するには、そのチーズが独自のテロワールに属し、フランス原産地呼称委員会が定める厳しい基準を満たしていなくてはなりません。

AOC取得のチーズの例

  • 牛のチーズ
    アボンダンス、ボーフォール、ブルー・ドーヴェルニュ、ブルー・デ・コース、ブルー・ド・ジェックス、ブルー・デュ・オー・ジュラ、ブリ・ド・ムラン、ブリ・ド・モー、カマンベール・ド・ノルマンディ、カンタル、シャウルス、コンテ、エポワス、フルム・ダンベール、ライオル、ラングル、リヴァロ、マロワル、モン・ドール、マンステール、ポン・レヴェック、ヌシャテル、ルブロション、サレール、サン・ネクテール

  • ヤギのチーズ
    カベクー・ロカマドゥール、シャビシュー・デュ・ポワトゥ、クロタン・ド・シャヴィニョル、プーリニ・サン・ピエール、ピコドン、サント・モール・ド・トゥーレーヌ、サル・シュル・シェール、ヴァランセ

  • 羊のチーズ
    オッソー・イラティ、ロックフォール

  • ヤギか羊の乳清チーズ
    ブロッチュ

AOP(アペラシン・ドリジン・プロテジェ)

2008年7月に作られたAOPは、製品の質の高さを保証するEU共通の制度です。今後、AOP取得製品にはAOPラベルを貼ることが義務付けられ、AOCラベルもAOPラベルに統合されます。チーズに関しても2009年5月1日以降、EUで製産された高品質チーズにはAOPラベルが義務化され、例えば、フランスのロックフォールとイタリアのパルミジャーノ・レッジャーノとイギリスのスティルトンには同じ赤と黄色のAOPラベルが付いています。EU共通のラベルを使用することで、消費者にも分かりやすくなると同時に偽物対策にも有効であると、その効果に期待が集まっています。