かつては料理の陰に隠れがちだったパティスリーの世界。 でも今、感性あふれるシェフたちがその価値を再び輝かせ、まるでオートクチュールのように、パリ発の美と技が息づくスイーツを生み出しています。 一度は味わってみたい、そんな珠玉のひと皿たち。 ひと口で心が動く、忘れられない体験がここにあります。
クリストフ・ミシャラクとともに、お菓子の旅へ
60 Rue du Faubourg Poissonnière, Paris, France
ラデュレやエルメ、フォションなど名だたるメゾンを経て、プラザ・アテネのシェフパティシエを務めたクリストフ・ミシャラクは、いまやパリのオートパティスリー界を牽引する存在のひとり。世界大会で優勝経験もある彼のブティックには、季節ごとに変わる遊び心あふれるガトーや、独創的なデセール・ヴェリーヌ(グラス入りスイーツ)が並びます。
さらに、彼の技を学べるマスタークラスも開催。プロのコツを直接伝授してくれる、貴重な体験が待っています。
詳細はこちら▶︎ http://christophemichalak.com/
マカロンの王様、ピエール・エルメ
72, Rue Bonaparte, Paris, France
アルザス出身のシェフ、ピエール・エルメが初めて手がけたスイーツは、名匠ガストン・ルノートルのもとで誕生しました。以来、彼は毎シーズン新たな発想で驚きに満ちたスイーツを生み出し続けています。
なかでも高く評価されているのが、マカロン、バラ、ライチ、フランボワーズを組み合わせた代表作「イスパハン」。マカロンやケーキとして展開されるこのスイーツは、彼の代名詞ともいえる存在です。
エルメのガトーは、味覚の旅へと誘ってくれるものばかり。世界各地の香りや素材を取り入れ、ひと皿ごとに新たな世界が広がります。
現在はパリに複数の店舗を構えるほか、日本やタイ、アメリカなど海外にも進出。グローバルに活躍するトップシェフです。
公式サイト:https://www.pierreherme.com/
繊細な層が織りなす、ヤン・クヴルーのスイーツ
23bis Rue des Rosiers, Paris, France
パリ近郊の名だたる高級ホテルで腕を磨いたシェフ・パティシエ、ヤン・クヴルーは、2016年に自身初のパティスリーをパリにオープンしました。以来、スイーツ好きな人々の注目を集め、彼のクリエイションには連日ファンが押し寄せています。
中でも人気なのが、毎日数量限定で提供されるシグネチャー・スイーツ、マダガスカル産バニラのミルフィーユ。素材の風味をしっかりと引き立てながら、甘さは控えめ。軽やかで洗練された味わいは、多くの人の心をつかんでやみません。
セドリック・グロレが魅せる、フルーツとスイーツアート
6 Rue de Castiglione, Paris, France
ル・ムーリスのシェフ・パティシエを務めるセドリック・グロレは、今もっとも注目されるパティシエのひとり。その実力は、世界最優秀レストラン・パティシエ賞を受賞したことからも明らかです。
この成功を受けて、彼はホテルのすぐ隣に自身のパティスリーをオープン。店内は連日大盛況で、ガラス張りのファサード越しには、ホテルのパティスリーラボをそのまま移したかのような空間が広がります。複数のパティシエがその場でスイーツを仕上げる様子を見ることができ、店内にはクッキーやマドレーヌ、クグロフを焼き上げるオーブンも完備されています。
濃厚×サクサク、シリル・リニャック流スイーツ革命
133 Rue de Sèvres, Paris, France
親しみやすい人柄とテレビでもおなじみのシェフ、シリル・リニャックは、今やパリ中のハートをつかむ人気者。ブラッスリーやレストランで成功を収めた後、彼が次に挑んだのはパティスリー。その腕前も見事です。
フォション出身の名パティシエ、ブノワ・クーヴランとタッグを組み、見た目も味も美しいシグネチャースイーツを次々と生み出しています。ショーウィンドーには季節ごとのスイーツが並びますが、なかでも定番として愛されているのが「エキノックス」。キャラメル、スペキュロス、バニラが絶妙に重なり合う、罪悪感なく楽しめる逸品です。
by Santerre Clémentine
パリを愛するジャーナリストとして、街に隠れた魅力を日々発掘中。 話題のスポットから知る人ぞ知る穴場、思わず誰かに話したくなる街のエピソードまで── パリという都市の奥深さを、さまざまな角度からお届けしています。