ヴォージュ山脈で作られる吹きガラス細工

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ヴォージュ山脈のラリック美術館
© Musée Lalique - ヴォージュ山脈のラリック美術館

この記事は 0 分で読めます2020年3月1日に公開

広葉樹の森にモヤが立ちこめ、ヴォージュ山脈の輪郭もはっきりしない…。そんな中、ガラス工房やクリスタル工房で透明感のある作品に触れてみませんか。真っ赤な口を大きく開けた炉で暖をとり、燃え盛る火が手品のようにきらめく世界を作り出す様子を見てみましょう。

マイゼンタールで、溶けたガラスを自由自在に成形

Yvon Meyer
© Yvon Meyer

定まった拠点を持っていなかったガラス職人たちが1704年に工房を構えたのがマイゼンタール(Meisenthal)です。「シジュウカラの谷」を意味します。この街で、1858年に初めてクリスマス用のガラス玉オーナメントが作られました。2020年、市内にあるガラス工芸博物館(le musée du Verre)は美しく改築される予定です。一方、国際アートセンター(Centre international des arts)では、ガラス職人たちが繊細なガラス細工を常に作り続けており、デザイナーのフランソワーズ・ミノ(Françoise Minot)の花柄の花瓶なども手がけています。型を使用せず、ガラスが冷えて固まってしまう前に花びらを一枚ずつそっと開いていく製法が用いられており、制作はまさに時間との戦いです。 ⇒マイゼンタールガラス工房公式サイト(フランス語)

サンルイ・クリスタル博物館で感動体験

Benoit Teillet
© Benoit Teillet

1767年に王立のクリスタル製造所として創業したのが、サン・ルイ・レ・ビッチュ(Saint-Louis-lès-Bitche)にあるクリスタル工房です。ローズ色の砂岩による高い時計台が目を引きます。1781年のヨーロッパにおけるクリスタル産業の発祥の地と言えます。大ホールの部分がサンルイ・クリスタル博物館(Musée du Cristal-Saint Louis)となっており、乳白ガラスのもの、ペーパーウェイト、水差し、あるいはプランターなど2000点もの希少な作品が展示されています。この高貴なガラス細工の全ての曲線や造形を鑑賞したら、緩やかな傾斜を上がりましょう。ガラス細工の作業風景を見下ろせるスペースがあります。 ⇒サンルイ・クリスタル博物館公式サイト(フランス語)

サンルイ・クリスタル製造所の秘技

サンルイ・クリスタル製造所(Cristallerie Saint-Louis)を代表するモデル、「ヴェルサイユ」の花瓶や「シスル(Thistle)」シリーズなどの特徴は、「口で吹き、手でカット」する技法を用いて作られること。大ホールから張り出したところにアトリエがあり、原料から作品が生み出されていく様子を見ることができます。1300度以上の炉で溶かした原料を棒に絡めとり、真っ赤な玉となったガラスを口で吹き、カットし、型で成形し、熱し、再度カットし・・・と作業は延々に続きます。ヴェルサイユモデルの花瓶の重さは30キロにもなり、そのような重さのガラスを数分で成形するのは非常にチャレンジングな作業と言ってよいでしょう。

次に行うのは冷えたガラスの加工。カットしたり、彫り物を施したり、金箔をつけたりなどさまざまな加工がチェッカーの厳しい目のもと、行われていきます。サンルイ・クリスタル製造所は世界で唯一、匠の技を公開している工房です。博物館に予約すれば、毎日見学可能。 ⇒サンルイ・クリスタル製造所公式サイト(フランス語)

ラリック美術館で目はキラキラに

Musée Lalique
© Musée Lalique

まずは暗い部屋で輝く、3メートルもの「松ぼっくり型」のシャンデリアが目を引きます。ジュエリーデザイナーでありガラス職人でもあったルネ・ラリックがヴィンゲン・シュル・モデール(Wingen-sur-Moder)に工房を構えたのは61歳の時。ジュエリーデザイナーとして小さなブローチを制作したように、泉から湧き出るように次から次へとガラス製品を生み出しました

ラリックのガラス工房のホールだったところがラリック美術館(musée Lalique)となっています。美しい建物が緑まぶしい丘に面して建ち、世界でもっとも充実したラリックの香水瓶のコレクションが展示されています。タッチパネルの組み込まれた台では、ラリックの代表作「バッカスの乙女」と題される花瓶の光沢のあるシルエットを手でなぞることができます。そして来館者の目が輝くのが「ハッピー・クリスタル」。クリスマスの時期に開催されます。 ⇒ラリック美術館公式サイト(英語)

ガラス細工製造所オーナー所有のホッフベルグ城を訪問

Grégoire Gardette
© Grégoire Gardette

ヴィンゲン・シュル・モデールのラリック美術館__の向かいにあるのが、ローズ色の砂岩で作られたナポレオン3世様式の正面が際立つ__ホッフベルグ城(château du Hochberg)。かつてはガラス細工製造所のオーナーの住居として利用されていました。現在はホテルとレストランに改装されており、まるで滝のように切子ガラスが吊り下げられたバー、ラリックの花瓶に生けられた花などで、城の内部はとても洗練された雰囲気に満ちています。15ある客室にある、ダリアやツバメをモチーフとしたラリックのメダルの装飾が施された鏡も素敵です。庭園の中央には建築家のマリオ・ボッタ(Mario Botta)設計によるガラスと砂岩の建物があり、レストランとなっています。ガラスと緑に満ちた空間を満喫ください。

by de Crozet Aliette

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