広がるシクロツーリズム

広がるシクロツーリズム - 自転車で巡るロワールの谷の世界遺産

フランスで自転車(=ヴェロ)を利用した観光「シクロツーリズム」の人気が拡大しています。誰でも手軽に楽しめて環境に優しく、ソーシャルで持続可能な旅行形態として注目されています。

欧州の国々をまたいで「ユーロ・ヴェロ」欧州サイクルネットワーク計画も進行中。共通のサインポストを設けるなど欧州全体で高品質な自転車道路網整備を目指し、フランスのほか英国、オーストリア、ドイツ、スイスなど8カ国が参加。2013年時点で14ルート、総延長4万5千㎞が整備されました。古くから曳舟などに使われてきた河川や運河の沿道を利用したり、野山を越えて行くルートなどが続々設定されています。

フランスルートの中でもっとも有名で格調高いのが「ラ・ロワール・ア・ヴェロ」です。大西洋岸から黒海沿岸へ、ロワール、ライン、ドナウの三大河を結ぶ「ユーロ・ヴェロ 6」の一部を構成しています。サントル・ロワール地方では、交通の安全を確保し標識を整備した800㎞のルートを利用してロワール河流域の古城やワイン産地などを巡ることができます。各種モバイル機器にも対応した専用アプリが開発されています。

ルートに沿った312か所の宿泊施設やバイクショップなどには国が定めた「アクイユ・ヴェロ」品質保証マークが掲げられています。

「アクイユ・ヴェロ」の宿泊施設では資料や天候などの情報、次の宿泊先への荷物の陸送(有料/無料、予約制)、バイクレンタルやバイクの安全な保管とメンテナンスについて規定を設けています。バイクショップでは18段以上のギアを持つ高性能バイクのレンタル、最短でも4月1日~9月30日までの営業と6月~8月期の延長営業(9 :00 ? 19 :00)、修理の援助などを保証。観光地やレジャー施設には入り口近くの駐輪場確保などを、また地元観光局には自転車の運搬が可能なバスや電車の情報などシクロツーリズム関連資料の整備を求めています。国鉄とも連携し、夏期には予約不要・無料でバイクの運搬ができるローカル列車「トラン・ヴェロ・ロワール」を運行するなど利用者の利便向上につとめています。

「ラ・ロワール・ア・ヴェロ」ルート中のハイライトはトゥール~ブロワ間の77㎞。アンボワーズ城、クロ・リュセ城とダヴィンチ・パーク、ショーモン城、中間地点のシュノンソー城、ブロワ城を巡ります。少し迂回をしてアゼ・ル・リドー城も見学すると合計距離は100㎞です。

■シクロツーリズムの具体例

ロワ-ル地域では複数の会社がバイクのレンタルと宿泊、大きな荷物の陸送をパッケージしたツアーを販売しています。

アビシクレット社ではブロワを拠点に連日周辺の城を巡る宿泊をセットした2泊3日コースを提案。そのほか1週間ほどまでの日数でさまざまな商品をフランス全国で提供しています。自転車での走行は時速10~20㎞で想定されています。

第1日:ブロワ◆足慣らしを兼ねてブロワ城や市内を見学します。
第2日:シュヴェルニー循環◆南に向かって最初に現れるのはボールガール城。続いてシュヴェルニー城へ。夕刻にヴィルサヴァン城に立ち寄ります。
第3日:シャンボール循環◆森を抜けシャンボール城へ。30㎞あまりを走ります。
第4日(オプション):ショーモン循環◆西のショーモン・シュル・ロワール城へ向かいます。

終始ガイドが同行するグループ向けのツアーは2人部屋でのフルペンションがベースです。朝食が2回、ピクニックスタイルの昼食が2回、夕食が2回、そして大型荷物の陸送がセットされています。ホテルグレードが選べ、コンフォートだと310ユーロ、プリヴィレージだと415ユーロです。オプションでバイクレンタルは1人17ユーロ/日、マルチリスク型保険が21ユーロ、4日目はコンフォートクラスの宿泊利用で130ユーロなどとなっています。

欧州サイクルネットワーク「ユーロ・ヴェロ」
http://www.eurovelo.org/ (外部リンク)

「ロワール・ア・ヴェロ」
www.loire-a-velo.fr (外部リンク)

ツアー提供会社一覧
http://www.cycling-loire.com/organise-stay/cycle-travel-agencies (外部リンク)

スポーツにレジャーに、アクティブに巡るフランス Active France キャンペーンサイト
http://jp.rendezvousenfrance.com/ja/content/activefrancetop (外部リンク)