マルセイユで過ごす3日間 : 家族で潮風を感じてみてはいかがですか?

暑い季節になり、ますます海に心惹かれる日々となりました。今こそマルセイユに出発しましょう。遊び心溢れる文化的見学アイデア、市内での海水浴、カランク散策など家族で楽しめるアイティナリーがいっぱいです。

9時30分 : 丘の上のノートルダム=ド=ラ=ガルド寺院へ

…でも、寺院までのアクセス方法にこだわってみましょう!
小高い丘の上に聳え立ち、まるでマルセイユの上空に浮かんでいるような優雅な聖堂ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院。ここに行くお勧めのルートは、マルセイユ旧港から出発するミニ列車に乗ることです。列車は旧港を一回りし海岸線沿いを走った後に、市内のくねくねした狭い小道を走りながら大聖堂へ勾配を登ります。ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院は嘗て城塞だった場所で今日でも情緒ある跳ね橋が残っており、またテラスからは地中海、市街地の360度の抜群のパノラマを眺望できるため、訪れる誰をも魅了しています。聖堂内部では、天井からいくつもの船の模型が吊り下げられていたり、壁には船に関わる絵画が奉納されているのに気付くでしょう。これらは海難事故に遭った生存者により聖母マリアへの感謝の意を込めたもので、子供たちに奉献物とは何かを教える良い機会でもあります。

11時 : ヨーロッパ地中海文明博物館(Mucem)を訪れる

マルセイユに数あるミュゼの中でスター的存在のヨーロッパ地中海文明博物館(通称ミュセムMuCeM)は、旧港の入り口に海を臨んで佇み、大人も子供も、訪れる全ての人を魅了します。目を引くのはその個性的な建築で、博物館外壁から出ている宙に浮いた様な通路や、博物館を囲むように造られたコンクリート製の網目の壁が特徴的です。網目の壁と建物の間は緩やかなスロープになっており、差し込む太陽光と網目が創り出す美しい影の中を散策することができます。ヨーロッパと地中海をテーマにした唯一の博物館を見学するオリジナルな手段となっています。ミュセムにたっぷり時間を割けるのであれば、9月10日まで開催中の大々的な企画展「OR」の解説付見学に参加しても良いですし、常設展で子供向けに実施されている遊び心溢れる見学路を試してみるのも良いでしょう。

14時30分 : 文化複合施設フリッシュで現代アートに触れる

マルセイユの中心駅サン・シャルル駅近くにあるフリッシュ・ドゥ・ラ・ベル・ドゥ・メは、かつて煙草工場だった場所で、現在はアーティスト達のアトリエやギャラリー、住居、ライブハウス、レストランが入った文化複合施設になっています。
館内のミュゼでは案内員が企画展に訪れた子供たちを前に「このアーティストのインスタレーションを見て何を感じ取りますか?」と質問します。毎週土曜日14時30分より、6歳から12歳の子供を対象にした家族見学コースが実施されており、現代アートに一層関心を持てるような解説付見学とワークショップに参加することが可能です。
フリッシュ館内には幼児向けプレイエリア、スケートボード場、カフェ、レストランも併設しています。フリッシュで行われるコンサートや企画展、子供向けイベントなど多彩な催しに家族で訪れて、何時間でも滞在することが可能です。夏には広々とした屋根の上で、映画上映など夜のイベントも楽しめます。

10時 : マルセイユ沖合の小さなイフ島を目指して乗船

旧港から出ているシャトル船に乗って20分もすると、沖合に浮かぶ孤島イフ島に着きます。島内には16世紀に海賊やスペイン海軍の襲来からマルセイユ港を守るための要塞として建造されたイフ城があります。この城はアレクサンドル・デュマの名作「モンテ・クリスト伯」に登場する要塞であり、情緒あるカモメの鳴き声も手伝って、子供の想像の世界を一層広げるでしょう。イフ城は16世紀から20世紀前半まで牢獄として使用された後、今日では非常に人気のある観光地になっています。

14時 : マルセイユ市内で海水浴

イフ島から再度シャトル船に乗ると、手つかずの自然が残り迫力のある風景が見られるフリウル諸島にアクセスすることができます。島では斜め断層が剥き出しになっている様子や美しい入江と透明な海の景観が楽しめ、ロビンソン・クルーソーの生活を髣髴させるでしょう。
しかし、マルセイユ市内にも、さらさらの砂の上で海水浴を楽しめるビーチが幾つかあるのです。旧港からバスでレ・カタランビーチ、レ・プロフェットビーチ(浅い水深のため子連れ家族向け)、もう少し遠くにあるポワント・ルージュビーチの3つに行くことができます。全てのビーチに監視員がおり、安心して海水浴を楽しめます。

17時 : プラド地区にある有名なスケートパークでライディング

人気のストリートカルチャー、スケートボードの愛好家ならその存在を知らない人はいない世界的に有名なスケートボウルがマルセイユにあります。1991年、プラド地区のポワント・ルージュビーチに程近いガストン・ドフェール海岸沿いに地中海を臨むように設けられたボウル・ド・マルセイユでは、スケートボード、ローラースケート、トロチネットなど様々な方法で700平米の敷地内を滑り、駆け降りることができます。ボウル・ド・マルセイユの個性的な点は、様々なカーブのスケートボウルを同じ敷地内に幾つも提案していること。中高生に大人気の場所となっています。

10時 :カランクを一日掛けて延々と歩く

タイムとローズマリーを区別し、海に生息する鳥を観察し、ごつごつした岩場をよじ登る・・。マルセイユ近郊の海岸線には、先史時代の氷河期とその後の地殻変動によってできた独特の地形のカランク国立公園が20キロ以上続いています。自然が生み出した景勝地の整備された散策道を一日掛けて歩いてみましょう。カランクでは目が眩むほど白い石灰岩の断崖絶壁、松の木が沢山見られる地中海域独特の石灰質土壌、深く浸食された入江、澄み切ったコバルトブルーの海水のコントラストが、他を圧する美しい絶景を作り上げています。歩き疲れたらご褒美に海水に浸ってリフレッシュしてはいかがですか。

宿泊場所 ?

マルセイユの市街中心部、ジュリアン広場の近くにあるデザインホテル「ママ・シェルター」は、快適なホテルを手頃な価格で利用できる点と、スタイリッシュで遊び心に溢れたインテリアで家族連れに人気の宿泊施設です。バーのカウンター頭上にはカラフルな浮き輪がいくつも並んでぶら下げられ、天井にはチョークで面白い文字やデッサンが描かれています。子供たちが大喜びすること間違いありません!