王の菜園 ヴェルサイユ

ヴェルサイユ もう一つの庭園は有機菜園

ヴェルサイユ宮殿の食卓にのぼる野菜や果物の栽培を一手に担っていたのが、宮殿そばに作られた「王の菜園(le Potager du Roi)」。
ここでは宮殿内の混雑とはうってかわってゆったりした散策が楽しめます。ジャム、ジュースなど、この菜園で収穫された野菜や果物の加工品はお土産にもぴったり。まさにヴェルサイユの知られざる観光スポットです。

歴史

王の菜園Potager du Roiは、ルイ14世の食卓に献上される野菜と果樹を栽培するため作られました。菜園作りの命を受けた造園設計家ジャン=バプティスト・ラ・カンチニは、のちにサン・ルイ地区と呼ばれることになる一帯の隅に1678年から菜園の開墾を始めました。不毛な土壌に苦しみながらも、たゆまぬ努力により収穫が可能となったのです。

宮殿の厩舎から出る堆肥を組み合わせながら、ラ・カンチニはレタスを1月、イチゴを3月、メロンを6月に収穫し王の食卓を喜ばせました。また当時珍しく、贅沢品として扱われたグリーンピースの栽培も行いました。何よりこの菜園で王にとっての自慢の種となったのが、果樹栽培であり、王自ら賓客を菜園に招きそれを見せたといいます。

現在

現在、王の菜園では昔の栽培法や果樹の剪定法の保存・継承を役割としています。また、古代種・新種を問わず、一般にあまり知られていない種や希少種のコレクションに力を入れています。また話題のBIO、有機農業を実践し、合成化学肥料の利用は極力減らしています。当菜園には国立高等造園学校が設けられています。

売店

この菜園で収穫した野菜と果実は、ジャムやジュースなどの加工品として販売され、ヴェルサイユ市民や観光客にも高い人気を誇っています。

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