グルメ好き必見、近年新しくオープンしたおすすめレストラン13選

美食とワイン

La dame de Pic
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この記事は 0 分で読めます2022年7月20日に公開

長いコロナ禍の期間を経て、フランスでは店内またはテラスで気軽に料理を楽しむことができるようになりました。レストランには何ヶ月もメニューを練り、コンセプトを煮詰める時間があったため、リールからリヨン、マルセイユからナントまで、どこのレストランもメニューは斬新さにあふれています。最近新しくオープンしたおすすめレストランをご紹介しましょう。

もっとも高い場所にあるレストラン「ヌー」 - リール

待ちに待ったリール初、360度の大パノラマが楽しめるルーフトップのレストラン・バーが登場しました。ショッピングセンター「ユラリールEuralille」の向かい側、リールにある2つの駅の間に位置するヌー(NŪ)は、ボリュームたっぷりの料理で人々を惹きつけます。マンジュ・リール(Mange Lille)のメンバーであり、このプロジェクトの発起人でもあるシェフ、マキシム・シェルストラテ(Maxime Schelstraete)は地産地消の食材を使ったメニューを用意し、朝から晩までくつろげる空間を約束してくれます。

ヌー NŪ

もっともプロヴァンス地方らしいレストラン「ベック」 - レ・ボー渓谷

Chloé Lapeyssonnie
© Chloé Lapeyssonnie

美しいプロヴァンス地方にあり、灌木とラベンダー畑に囲まれたパラドゥー村(Paradou)。エドゥアール・ボーフィス(Edouard Beaufils)とジェシカ・コゴニ(Jessica Cogoni)がヨーロッパおよび世界各地で経験を積んだあとに落ち着き、レストランをオープンさせた村です。店名のベック(Bec)は2人の名前のイニシャルから。レ・ボー・ド・プロヴァンス(Les Baux de Provence)の麓にある日当たりの良い伝統的な農家を改築した店で、彼は厨房から、彼女はホールで、心が震えるほどの美味しい料理と、温かくテキパキとしたサービスを提供しています。南仏ならではのアクセントが効いた美味しい料理を楽しみましょう。

ベックBec

もっとも太陽の光に溢れるレストラン「ル・プレザージュ」- マルセイユ

このような店は、フランスはおろかヨーロッパでも初めてのはず。確かにまだ実験段階ではありますが、元エンジニアだったシェフのコンセプトによるレストランはその独創性で早くも輝き始めています。現在は、パラボラ型の太陽光発電システムを利用したキッチンを使い、野菜を中心にセミベジタリアンのメニューを提供。感動ものです!

ル・プレザージュLe Présage

もっとも豪華絢爛な「ル・グラン・コントロール・デュカス」 - ヴェルサイユ

Renee Kemps
© Renee Kemps

ヴェルサイユ宮殿の敷地内で、オランジュリーの花壇やスイス人の池を臨みつつタイムトリップを楽しむ・・・そのような特別な体験を提供するのが、ヴェルサイユ宮殿の建物内に開業し、昨年の春にオープンしたホテル、ル・グラン・コントロール – エレル・シャトー・ド・ヴェルサイユ(Le Grand Contrôle – Airelles Château de Versailles)です。またパヴィヨン・デュフール(Pavillon Dufour)館内にあるアラン・デュカスのレストラン、オールOreは、古いレシピから着想を得て高級フランス料理を大胆に解釈した料理を提供し、この素晴らしい場所をさらに高めてくれています。ゴールドと光に彩られたインテリア、ウエイターたちの制服、再現された18世紀のテーブルウエアなど、ゲストたちを王室の華やかな世界へと誘います。

ヴェルサイユ宮殿のデュカスle Grand Contrôle-Ducasse

もっともブドウ畑に溶け込んだレストラン「レ・ベル・ペルドリックス」- サン・テミリオンのシャトー・トロプロン・モンド

ワイナリー、シャトー・トロプロン・モンド(Château Troplong Mondot)のブドウ畑に囲まれたレストラン、レ・ベル・ペルドリックス(Les Belles Perdrix)が3年のリノベーションを終え、再オープンしました。ミシュランの星付きシェフ、ダヴィッド・シャリエ(David Charrier)が敷地内にある持続可能循環型農業による菜園から食材を調達し、食の楽しみを追求。近隣の生産者たちの貢献もあって、信頼できる素材が使われた五感を刺激する直感的な料理が作られています。そして新しくシエフ・パティシエとなったアドリアン・サラヴェール(Adrien Salavert)が、スイーツ好きを満足させてくれます。

レ・ベル・ペルドリックス Les Belles Perdrix Les Belles Perdrix

もっともアルプスらしい「ラ・ダム・ド・ピック – ル・1920」 - ムジェーブ

La Dame de Pic
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ムジェーヴ(Megève)にあるフォーシーズンズホテル (Four Seasons Hotel) 内のグルメレストラン、ル・1920 (Le 1920)は、厨房に新しく女性シェフ、アンヌ=ソフィー・ピック(Anne-Sophie Pic)を迎えました。今後はピックとフォーシーズンズブランドが手を携えることになります。世界で最も多くミシュランの星を獲得した女性シェフ、ピックの発想はサヴォワ地方のテロワールに合うもの。モミの木の芽やメドウスイート、スイートクローバー、キャラウェイ、ハナウドなどを用いるメニューは、地元の草木や果実を摘む作業をしている女性と共同で考案されました。木造のアーチ型天井が印象的なダイニングルームやアルプスを望む優雅なテラスで、小さな花々や放牧の風景が料理と融合する時、食の体験は高みに達するのです。

ラ・ダム・ド・ピックLa Dame de Pic

もっともフレンチ・リヴィエラらしい「ボッカ・ニサ」 - ニース

Bocca Nissa
© Bocca Nissa

海辺から目と鼻の先で、サレヤ広場の入り口というニースの理想的な場所に、元々あったレストラン、ル・ユッサール(Le Hussard)の代わりに登場したのがボッカ(Bocca)です。地中海にインスパイアされた美しく盛り付けらえた料理の数々、緑豊かなルーフトップ、そして賑やかな雰囲気に溢れるこの新しい店は、必勝方程式でコート・ダジュールを目覚めさせてくれます。それもそのはず、このプロジェクトの核となったシェフのジャン・ヴァルフォール(Jean Valfort)はコート・ダジュール出身であり、出身地に対して限りない郷土愛を抱いているのです。

ボッカ・ニサ Bocca Nissa

もっともボリュームの多い料理が楽しめる「ル・ブイヨン・デュ・コメルス」 - ナント

ル・ブイヨン(Le Bouillon)という店名は、ブイヨンスープなど伝統的なフランス料理を提供していた19世紀のレストランを彷彿させます。パリにはそのような店がまだいくつか残っており、手頃な価格が評判です。ル・ブイヨンが食の冒険に乗り出すのは、ナント市内のコメルス広場 (place du Commerce)。レトロな内装で、店内およびテラスに250席あります。和やかな雰囲気の中、大衆的でボリュームがあり手頃な値段のメニューを提供するという挑戦に取り組みます。

ル・ブイヨン・デュ・コメルス Le Bouillon du Commerce

最も注目されるレストラン「ガブリエル邸のオプセルヴァトワール」 – ボルドー

Le Gabriel
© Le Gabriel

ボルドー市内中心部にある素晴らしい広場、ブルス広場(Place de la bourse)に面し、ルイ15世のために建築家アンジュ=ジャック・ガブリエルAnge-Jacques Gabrielが設計した「大世紀」時代の歴史的な邸宅・・・。これが、2020年秋に数日オープンし、センセーションを巻き起こしたガブリエル(Gabriel)の舞台です。1階には物静かなバー、2階にエレガントなビストロ、そして最上階には35席の高級フレンチレストラン、オプセルヴァトワール(Observatoire)があります。ミシュランの星を獲得した若きシェフ、アレクサンドル・ボマール(Alexandre Baumard)が指揮を執り、シャープで野心的なワインリストとともに高揚感あふれる料理体験を提供してくれます。

ル・ガブリエルLe Gabriel

最も地中海らしさに溢れるレストラン「ル・シュララ」 - トゥールーズ

インダストリアルなインテリア、荒々しい外壁、鮮やかな色彩で目を引くのがル・シュララ(Le Chelala)。トゥールーズで最も賑わいを見せるビクトル・ユーゴー地区(quartier Victor-Hugo)にあります。デュカスの店やニューヨークのジャン・ジョルジュ(Jean-Georges)、パリのマティニョン通りにあるシックな店マルケ(Market)などで働いた経歴を持つシェフ、ガド・アズランGad Azranが指揮を執り、地中海の旅へと誘うメニューをお届けします。シェアできる大皿料理で、レバノン、ギリシャ、イスラエル、モロッコ、トルコの味をお楽しみください。

ル・シュララ Le Chelala

もっとも和気藹々とした「フード・ソサイエティー」 - リヨン

Food Society
© Food Society

ラ・コミューヌ(La Commune)、 ヒート(Heat)、そしてフード・トラブール(Food Traboule)に続いて4つめのフードコート、フード・ソサイエティー(Food Society)がガリアの古都、リヨンに登場しました。この巨大な食の殿堂(3000㎢、飲食店10店舗、バー一軒、広大なテラス)ができたのは、パール・ディユー地区Part-Dieuにあるショッピングセンター内。カラフルな内装、目を引く案内標識、手作りの料理、賑わいある雰囲気、そしてプラスチックゼロへのこだわりのあるフード・ソサイエティーは、「見る楽しみ、食べる楽しみ」を確約してくれます。飲食店の中には、2つ星を獲得したリヨンの食品店、ラ・メール・ブラジエ(La Mère Brazier)やマルシェの料理が楽しめるカフェ・テロワール(Café Terroir)もあります。

フード・ソサイエティー Food Society

もっともドルチェ・ヴィータな「ジジ」 - コート・ダジュール地方ラマテュエル

Gigi Ramatuelle
© Gigi Ramatuelle

サン・トロペ(Saint-Tropez)からほど近く、松林から見え隠れするパンプロンヌ・ビーチ(plage de Pampelonne)にあるジジへお越しください。レストランという枠を超え、「第二の我が家」と呼べるほどの空間は、くつろぎや分かち合い、忘れがたい思い出を与えてくれる場所となっています。提供するのは、イタリアの伝統料理と地中海料理を融合させた料理。昨年にはジジ(Gigi)のパリ店と、ヴァル・ディゼール(Val d’Isère)に山小屋風レストランもオープンしました。

ジジGigi

もっとも美しい眺めが楽しめる「ル・ドンジョン」 - エトルタ

ノルマンディー地方を訪れたら、エトルタ(Etretat)や、エトルタにある有名な断崖絶壁に行かないわけにはいきません。このグルメの旅の締めくくりには、エトルタにあるドメーヌ・サン=クレール・ル・ドンジョンDomaine Saint-Clair Le Donjonで、海を眺めながらのディナーはいかがでしょうか。31歳、と若く才能あふれるシェフのギャバン・ブゲ(Gabin Bouguet)は今年初めてミシュランの1つ星を獲得しました。新鮮な魚、地元の肉、ノルマンディー産のチーズ、そして旬の野菜やフルーツを使った料理を提供。もちろん、すべての料理にグラン・クリュを合わせましょう。ドメール・レ・ザルパン・デュ・ソレイユ Domaine Les Arpents du Soleil で生産しているワインが特におすすめ。

パリでは?

パリではレストランの再開や、新しい店のオープンで話題が尽きません。パレ・ド・トーキョー内にはフォレスト(Forest)がオープンし、改装成ったばかりのブルス・ド・コメルスの最上階には、ミッシェル&セバスチャン・ブラス(Michel et Sébastien Bras)が手がけるアル・オ・グラン(Halle aux Grains)が登場。

by Filliâtre Pascale

旅行ジャーナリスト。未知なるフランスをご紹介します。 filliatre.pascale@orange.fr

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