ロワール渓谷の古城で庭園を満喫する

シュヴェルニー城のチューリップ庭園

早くも3月から、シュヴェルニー城の庭園(le parc du château de Cheverny)では、チューリップが川のように列をなして咲き始めます。春の花が織りなすスペクタクルを愛でに、シュヴェルニー城へ足を運んではいかがでしょうか。庭園を散歩しながら、12万株近い色とりどりの満開のチューリップを4月中盤まで楽しむことができます。
長さ160メートル、幅10メートルにわたってシュヴェルニー城の庭園の一角に植えられた12万株のチューリップは、初春に開花。黄色、オレンジ、ピンク、赤… 池や芝生の合間を縫って、マルチカラーのリボンのような光景が広がり、城の西側を彩ります。そんなチューリップの庭は、徹底した手入れと努力の賜物。3月早々に咲き始め、4月中盤に見頃を迎えるよう、計算して植えられているのです。“見習いの庭(jardin des apprentis)”と、植木迷路に、このチューリップの庭が加わることで、ブロワ城の美しい植物画三部作が完成したと言っていいかもしれません。花好きの人々ために、開花の様子がブロワ城のSNSでも発信されているので、ぜひご覧ください。

シュノンソー城に新しい庭園が誕生

2018年6月、シュノンソー城で開催されたイベント“ランデヴー・オ・ジャルダン”で、著名な庭園デザイナー、ラッセル・ペイジをインスピレーションにした新しい庭が初披露されました。
“オマージュ・ア・ラッセル・ペイジ”と名づけられたこの新しい庭は、最も偉大な近代造園家のひとりであるラッセル・ペイジの人生とスケッチから発想を得ています。さまざまな建築やスタイルを熟知した経験豊かな造園家であるラッセル・ペイジは、卓越した技量で造園に身を捧げました。ペイジはこの仕事に情熱を注ぎ、「誰にとっても、造園は学術的あるいは理論的に学ぶものではない。頭と同じくらい手を使って、植物、石、水、土壌を知ろうとしなければならない」という考えをもっていたのです。ペイジのこうした研究と作品が、シュノンソー城の庭園ディレクター、ニコラス・トムランの糧となり、新しい囲いのある庭のデザインにつながったのです。この庭を造るにあたり、場所の特性を生かした植物と技術が採用されました。既存のフランス式庭園ディアーヌ・ドゥ・ポワティエ庭園とカトリーヌ・ドゥ・メディシス庭園とともに、新しい庭はシュノンソー城に完璧な彩りを加えています。

ブリサック城

ブリサック城の庭園の一角に、新たな散歩道が完成。詩的さを感じられ、水に誘われるような作りになっています。
このブリサック城の新しい遊歩道は、楽しさと詩情にあふれています。庭園の池には岩に囲まれた人工の滝があり、訪問者はそこを越えて先に進んでいきます。小さな橋の上からは、城を望むだけでなく、池の水面に映る城も眺めることができます。水をうまく用いて島や人工の滝を造ることで、敷地内にさまざまな景色を生み出しているのです。かつて城主だったハンガリー出身のラリサ・セーチェーニ公爵夫人へのオマージュとして、この滝は同郷の偉大な作曲家フランツ・リストに贈られていますが、リストが数多く残した水が主題のピアノ曲へのオマージュにもなっています。

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