「バラ色の街」として知られるオクシタニー地方のトゥールーズには、見逃せない名所やワクワクする体験が満載です。さあ、3日間の旅へ出かけましょう。スミレの街を歩きながら、歴史ある建物や魅力あふれる街角、美味しい料理の数々を楽しんでください。気ままな散策と感動が、きっとあなたを待っています。
1日目:キャピトル広場周辺をめぐる
Capitole, Toulouse, France
週末の旅の始まりは、トゥールーズの象徴キャピトル広場(Place du Capitole)週末の旅の始まりは、トゥールーズの象徴キャピトル広場(donjon du Capitole)にたどり着きます。
街の雰囲気をひと通り味わったら、次はジャコバン修道院(Couvent des Jacobins)へ。トゥールーズ・ゴシック建築の傑作であり、訪れる人々を魅了してやまないスポットです。教会内部では、ヤシの葉のように広がる独特な天井のヴォールト(交差リブ)が特徴的。哲学者トマス・アクィナスの聖遺物もここに安置されています。静寂に包まれた回廊では、定期的にコンサートや展覧会も行われており、芸術と祈りの空間が穏やかに共存しています。
ランチには、地元の味を堪能できる「レストラン・オ・ガスコン Restaurant Au Gascon」30年以上にわたり、祖母の代から受け継がれたレシピを大切にしながら、素朴で温かみのある家庭料理を提供し続けている名店です。
午後は、西洋最大級のロマネスク様式の教会サン・セルナン大聖堂( basilique Saint-Sernin)を見学しましょう。ユネスコ世界遺産にも登録されており、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の重要な中継地としても知られています。堂々たる建築美と歴史的価値に、誰もが目を見張ることでしょう。
一日の締めくくりは、ガロンヌ川沿いの静かな宿オテル・ソクロ Hôtel Soclo へ。
中心街の小路を散策しながら向かえば、緑あふれる庭園と穏やかなプールが迎えてくれます。トゥールーズらしい“暮らすような滞在”が、ここで叶います。
2日目:ガロンヌ川沿いを歩く
Place de la Daurade, Toulouse, France
トゥールーズ2日目は、ルネサンスの面影を残すアセザ館(Hôtel d'Assézat)からスタート。パステル(染料)貿易で栄えた時代に建てられたこの壮麗な邸宅は、古代風の列柱に彩られた中庭が見どころです。建築家ニコラ・バシュリエが手がけた代表作のひとつとして知られ、トゥールーズのルネサンス建築を象徴する存在です。
ランチには、地元産の食材を大切にした創作料理が評判の、Baba Canteen へ。川沿いの心地よい空気のなか、こだわりの一皿をゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
午後は、ガロンヌ川沿い(bords de la Garonne)の散策を楽しみましょう。ポン・ヌフ(新橋)やサン・ジャック病院(Hôtel-Dieu Saint-Jacques)、ドーム屋根が印象的なラ・グラーヴなど、川沿いに並ぶ建築がつくり出すパノラマは、トゥールーズを代表する景色です。アンリ・マルタン遊歩道やドーラード広場を歩けば、地元の人々が憩う活気ある雰囲気を感じられるはず。
時間があれば、バトー・トゥールザン(Bateaux Toulousains)の遊覧船に乗って、水上から街を眺めるのもおすすめです。ミディ運河の歴史ある水門をくぐり、川沿いの風景やサン・ピエール橋、ラ・グラーヴ、サン・ジャック病院など、トゥールーズの建築遺産を水の上から堪能できます。
夜は、オテル・ソクロ(Hôtel Soclo)で洗練されたディナーを。上質な料理とともに、優雅なひとときをお過ごしください。
3日目:歴史地区
Cathédrale Saint-Étienne, Place Saint-Étienne, Toulouse, France
トゥールーズでの週末旅行もいよいよ最終日。3日目は、街の中心部にある サン・テティエンヌ大聖堂の見学から始めましょう。何世紀にもわたって増改築が繰り返されたこの大聖堂は、南仏ゴシック、北仏ゴシック、ロマネスク、バロックといった多様な様式が混在する、ユニークな建築の“パッチワーク”です。その複雑な構造は、トゥールーズの歴史そのものを物語っています。
ランチは、ちょっと特別な体験を。「レストラン・サン・ノム Restaurant Sans Nom」では、伝統的なメニューを置かず、シェアスタイルの小皿料理を中心としたユニークなコンセプトで知られています。美味しさを分かち合いながら、楽しいひとときをお過ごしください。
午後は、自転車に乗ってユネスコ世界遺産に登録されているミディ運河沿いを巡るのがおすすめです。太陽王ルイ14世の時代にピエール=ポール・リケによって建設されたこの運河は、トゥールーズから地中海へとつながっており、美しい並木道と水路が続く風光明媚なルートです。
旅の締めくくりには、「レストラン・セシル Restaurant Cécile」でディナーを。地元の食材を大切にした、身体にもやさしい料理が魅力です。日本式のバーベキューグリル“カマド”を使って絶妙に仕上げられた一皿に、自然派ワインの豊富なラインナップが寄り添います。サステナブルで洗練されたトゥールーズの味に出会える、特別な夜になることでしょう。

by Leguen Mélanie
ジャーナリスト
メラニーはバスク地方のビアリッツでジャーナリストとして活動しています。ヴィンテージへの情熱を持ち、今では地域の魅力を発見しながら、お宝探しと街歩きの日々を楽しんでいます。






