南フランス・コート・ダジュールを走るミモザ街道(Route du Mimosa)は、約130kmにわたり8つの街や村を結ぶルート。
1月から3月にかけて、沿道にはミモザが咲き、風景がやさしい黄色に彩られます。
道中では、地元食材を使ったランチを楽しんだり、小さな村を散策したりと、2人で気軽に楽しめる立ち寄り先が点在。
景色や季節の空気を共有しながら、それぞれのペースで過ごせるのが、このルートの魅力です。
1日目:ボルム・レ・ミモザからスタート
Bormes-les-Mimosasボルム・レ・ミモザは、ミモザ街道 Route du mimosa の起点となる町。
ヴァール県に位置し、90種類以上のミモザが育つことから「ミモザの都」とも呼ばれています。香り高い黄色の花が咲く季節には、町全体がやわらかな雰囲気に包まれます。
中世の面影を残す旧市街では、細い路地を散策しながら、歴史ある街並みを楽しめます。時間があれば、フランス大統領の保養地として知られるブレガンソン要塞の訪問もおすすめです。2月には、色鮮やかな山車が並ぶコルソ・フルーリ(花のパレード)も開催されます。
昼食は、旧市街にあるカフェ・デュ・プログレ café du Progrès へ。ボルムで最も古いカフェのひとつで、現在は「フランスの最も美しい村」にも選ばれています。
夕食と宿泊は、町を見渡すテラスが印象的なホテル・ベルヴュー Bellevue がおすすめです。
より上質な滞在を希望する場合は、海を望むパノラマテラスが魅力のル・ミラージュ Le Mirage や、村を見下ろすエデン・ローズ・グランド・ホテル Eden Rose Grand Hôtel も選択肢に入ります。

2日目:ボルム・レ・ミモザからレイヨル・カナデルへ(17km)
Rayol-Canadelミモザ街道2日目は、ボルム・レ・ミモザからサン・トロペ方面へと続くコルニッシュ・デ・モール沿いに位置する、レイヨル・カナデルへ。海と緑に囲まれた、穏やかな雰囲気の村です。
午前中は、ドメーヌ・デュ・レイヨル内にある地中海庭園(Jardin des Méditerranées)を訪れてみましょう。ガイド付きでも自由見学でも楽しめ、地中海沿岸各地の植物が自然な景観の中で紹介されています。昼食は敷地内のカフェ・デ・ジャルディニエ Café des Jardiniers で、庭園の余韻を感じながらゆったりと。
午後は、村の海岸沿いにあるバイ・デュ・フィギエへ。ドメーヌ・デュ・レイヨルのガイドとともに、浅瀬に広がる海中の動植物を観察するアクティビティも楽しめます。ビーチから気軽に参加でき、地中海の小さな生態系に触れられる時間です。
夜は、海を望むホテルラ・ヴィラ・ドゥース La Villa Douce.で宿泊。静かな環境の中で、旅の一日をゆっくりと締めくくります。
3日目:レイヨル・カナデルからサント・マクシムへ(32km)
Sainte Maximeミモザ街道の新たな立ち寄り地、サント・マキシム。村の可愛らしい路地を散策したり、ブドウ畑をめぐるガイド付きウォークに参加したりと、土地の空気を感じながら過ごせます。2月上旬に訪れる場合は、花の山車が並ぶコルソ・フルーリの催しも見どころのひとつです。
昼食は、ビーチで気軽なピクニックもおすすめ。デザートには、地元で評判のパティスリー、シャルル・ピエリュージュ Charles Pierruges のスイーツを。
午後はビーチでゆったりと過ごし、夕食はサンセットを望むレ・プランシュへ。地元産食材や旬の素材を大切にした料理が楽しめます。
宿泊は、花に囲まれたテラス付き客室が魅力のロワイヤル・ボン・ルポ Royal Bon Repos 。湾を望む眺めとともに、旅の一日を静かに締めくくります。
4日目:サント・マクシムからサン・ラファエルへ(24km)
Saint Raphaëlビーチや入り江、そして沖合に浮かぶイル・ドールなど、多彩な景観が広がるサン=ラファエルは、ミモザ街道をめぐる旅で外せない立ち寄り地のひとつです。
午前中は、エステレル山塊でのガイド付きウォークへ。赤い岩肌と地中海の自然の中で、ミモザの生態や季節の風景に触れられます。3月に訪れる場合は、海沿いの遊歩道で開催されるミモザのカーニバルも見どころです。
午後は、ル・コンフィデンシエル Confidentiel でひと休み。リラクゼーションマッサージやプールでゆったり過ごせるほか、併設のレストランとホテルも好評です。

5日目:サン・ラファエルからマンドリュー・ラ・ナプールへ(32km)
Mandelieu la Napouleマンドリュー・ラ・ナプールでは、「ルート・ドール(黄金の道)la route d’or」をたどりながら、ヨーロッパ最大規模のミモザの森を楽しめます。この町ではミモザが暮らしと深く結びついており、ミモザ祭りや子ども向けカーニバル、花のパレード(コルソ・フルーリ)、香りをテーマにした体験プログラム「ミモザから香水へ」など、季節ならではの催しが行われます。
夕食は、海を望むレストランブルー・レモン Blue Lemon で地中海料理を。
宿泊は、木陰の庭と湾を望む眺めが心地よいホテル・ド・ラ・カランク La Calanque がおすすめです。

6日目:マンドリュー・ラ・ナプールからタヌロンとペゴマへ(13km)
Tanneron et Pégomasタヌロンは、同名の山塊に広がる約200ヘクタールのミモザ林を擁する町。ミモザの植栽が特に多いことで知られ、12月から3月にかけては生産者の農園を見学することもできます。
その後、ミモザ街道はペゴマへ。車で約15分とアクセスしやすく、町ではミモザ庭園を訪れることができます。
宿泊は、趣のあるゲストハウスシャンブル・ド・モン・ムーラン Chambres de mon Moulin へ。落ち着いた環境で、旅の疲れをゆっくりと癒せます。
7日目:ペゴマからグラースへ(17km)
Grasseミモザ街道の旅は、五感を通して楽しむ体験とともに、グラースで締めくくられます。
香水文化で知られるこの町では、香水にまつわる伝統的な技術がユネスコ無形文化遺産にも登録されています。
町の中心にある国際香水博物館では、香水の歴史や製造工程を学ぶことができます。また、フラゴナール Fragonard では、自分だけの香りを作るワークショップに参加することも可能。好みの香りを見つけたり、体験そのものを共有したりと、旅の思い出づくりにぴったりです。
旅の最後の食事は、グラースの高台に佇むバスティード・サン=タントワーヌ Bastide Saint Antoine へ。シェフ、ジャック・シボワによる地中海料理を味わいながら、ミモザ街道を巡った日々をゆっくりと振り返ります。
自然、香り、食。
ミモザに導かれた南フランスの旅は、穏やかな余韻とともに幕を閉じます。

環境に配慮した旅のすすめ
移動に車を予約しなければならない場合は、電気自動車を優先しましょう。

by Raymond Marie
ジャーナリスト
観光と文化を専門とするジャーナリスト、マリーには、書斎以外ならどこでも執筆できるというささいな奇癖があります。時間の空気と動きからインスピレーションを得ているからです。
