カーンからシェルブールへ――ノルマンディー上陸作戦を辿る5日間の旅

旅の始まりはカーンにある「カーン記念館 Mémorial de Caen」から。
第二次世界大戦の発端から冷戦終結までを辿るこのミュージアムでは、2024年にはノルマンディー上陸80周年を記念した特別展「アメリカン・センチュリーの夜明け（1919-1944）」も開催されました。

ランチは、地元食材にこだわったエシカルでオーガニックなカフェ・レストラン「カフェ・デ・ジマージュ Café des Images 」へ。映画館とコミュニティスペースも併設した、地域密着型のユニークなスポットです。

午後は、ドイツ側の視点に立つ「大西洋の壁博物館 musée du Mur de l'Atlantique 」へ。
指令拠点として機能していた5階建てのブロックハウスが当時の姿に復元され、作戦前夜の緊張感をリアルに体感できます。

宿泊はムーラン・アン・ベッサンにある「ラ・フェルム・デュ・グラン・パルク La ferme du Grand Parc 」へ。
果樹園での収穫体験も楽しめる、のどかな農園ステイで一日を締めくくりましょう。

2日目は「ノルマンディーの戦い記念博物館 Musée mémorial de la bataille de Normandie 」からスタート。1944年夏の激戦を日別で振り返り、戦況の流れをわかりやすく学ぶことができます。

ランチは、地元産のオーガニック素材で作る100％ベジタリアンメニューが人気の「レモン・パーク Lemon perk 」へ。平日はブランチも提供されています。

午後はロング・シュル・メール Longues-sur-Mer のドイツ砲台陣地を訪問。火力は強くなかったものの、その絶妙な立地が連合軍にとって脅威だったことがわかるでしょう（ガイド付き見学はバイユー観光局（フランス語）にて要予約）。

夕方は「オマハ・ビーチ Omaha beach」へ。穏やかな浜辺に佇むと、激戦の記憶がより一層胸に迫ります。近くの「アメリカ人墓地」では、9,387の白い十字架が犠牲者一人ひとりを静かに物語っています。

宿泊は「ホテル・ル・バイユー Hôtel Le Bayeux」へ。環境に配慮した取り組みで国際エコラベル「グリーンキー（Clef Verte）」認証を取得しており、落ち着いた空間で疲れを癒すことができます。

D-Dayの当日をよりリアルに感じたいなら、専門ガイドによる「ノルマンディー・サイトシーイング・ツアー Normandy Sightseeing Tour 」がおすすめ。
半日・1日ツアーのほか、7〜8kmの“歴史散策”もあり、五感で歴史を追体験できます。

ランチは地元グルメでピクニックはいかがですか？
「ラ・フェルム・ド・ラ・サピニエール La Ferme de La Sapinière」では、カマンベール、リヴァロ、ポン・レヴェックといったチーズやキャラメルなど、ノルマンディーの味覚が揃います。

夏季には、70年代のロンドンバスを改装した「ランビュスケ l’Embusqué」で、ビーチを眺めながら地元食材を使った軽食を楽しむのもおすすめです。

宿泊は「フェルム・デュ・ルーセル Ferme du Loucel」へ。17世紀の農家をリノベーションした隠れ家的な宿で、暖炉のある部屋で心安らぐ夜を過ごせます。

午前中は、リアルな戦場体験が楽しめる「ル・ブロックハウス Blockhaus 」の脱出ゲームへ。
作戦成功のカギを握る緊張感が味わえます。

その後は、1940年代当時の雰囲気に包まれる「ラトリエ l’Atelier 」へ。
アンティーク家具が並ぶレトロな空間で、月1回のディナーイベントやランチを楽しめます（事前予約必須）。

午後は「D-Day エクスペリエンス D-Day expérience 」へ。
アメリカ・ドイツ双方の視点から上陸作戦を学べる体験型施設で、1943年製のC-47輸送機に搭乗してのフライトシミュレーションも人気です。

宿泊はブレヴァンの「アラス・デュ・リ Haras du Ry」。
広大な敷地に佇む現役の乗馬農園で、動物たちとのふれあいや自然の中でのリラックスタイムが楽しめます。

最終日はシェルブールの「解放記念館 musée de la Libération」へ。
ルール要塞にあるこの博物館では、占領時代から解放後までの街の変遷や、一般市民と軍人の生活に迫ります。展望台から望む港の絶景も必見です。

ランチは「クラブ・ディネット Club Dinette 」で。
旬の素材を使った2種類ずつの前菜・メイン・デザートを提供する、シンプルながら洗練されたメニューが魅力です。

旅の締めくくりは「シテ・ド・ラ・メール Cité de la Mer 」で、世界最大級の潜水艦「Redoutable」を見学。
音声ガイドでの体験が推奨されていますが、事前予約すれば元潜水艦員との特別ガイドツアーも可能です。