オクシタニー地方の中心、地中海にもほど近いモンペリエは、訪れる人々に穏やかな気候、美しい自然、そして歴史と現代文化が見事に融合した街の魅力を届けてくれます。
2028年ヨーロッパ文化首都に選ばれたモンペリエへ、3日間の旅に出かけてみませんか。
1日目: 芸術と歴史・文化遺産を発見する
Montpellier, Les halles du Lez見つめ合いながら、まずは街の中心にあるオーガニックな職人ベーカリー「パン・ブリュットPain Brut 」で朝食を。
シャンベランの弟子でもあるブーランジェが、古代小麦粉を愛情込めて焼き上げるパンを味わいながら、ゆったりとした朝のひとときを過ごせます。
そのあとは手をつないで、「レ・アル・デュ・レズ Halles du Lez」へ。
ここは、地元の生産者やシェフが集うモンペリエの新しい美食スポット。
午前10時から深夜まで営業しており、フードマーケット、フードコート、ルーフトップが一体となった活気あふれる空間です。
気取らない雰囲気の中でも、ガストロノミック・ビストロ「ターミナル1 Terminal 1」でのランチなら、ふたりの時間をゆっくり楽しめます。
芸術と感性を共有するなら、アートセンター「MO.CO.」へ。
現代アートの展示を堪能した後は、美しい庭園に面した邸宅で、やわらかな灯りに包まれたディナーを。
もう少しにぎやかな雰囲気が好みなら、新鮮な旬の食材を使った料理が評判の「ブイヨン・モレル Bouillon Maurel 」もおすすめです。
一日の締めくくりには、「シェ・アペルチュール Chez Aperture」で一杯を。
アートギャラリーのような空間で味わうカクテルは、まるで感覚を揺さぶる芸術作品のよう。
宿泊は「マ・ド・ラフイヤード Mas de Lafeuillade 」で。
街中にありながら“都会の中の田園”と呼ばれる静かな空間で、上品さと落ち着きを兼ね備えたエコ・コンシャスな滞在が叶います。
2日目: シックで環境に配慮した一日
Montpellier, Jardin des Plantes
モンペリエの朝は、街でいちばんおいしいクロワッサンを味わえる「イコンカ IKONKA 」から。
オーガニックでヘルシー、そして上質な味わいの朝食で、幸せな一日の始まりです。
クロワッサン片手に、歴史地区のロマンチックな小路を散策してみましょう。
昼間はもちろん、夜のライトアップの中で歩く「バイ・ナイト」ツアーもおすすめです。
「フェベオ Fébéo」で地元食材を調達したら、ピクニック気分で近くの植物園 jardin des plantes へ。
伝統に倣って、“愛の願い”を込めるのもお忘れなく。
夜は、モンペリエの象徴的な建築「アルブル・ブラン Arbre Blanc 」の17階ルーフトップバーへ。
アートギャラリーも併設された洗練空間からは、街全体と海、そしてピク・サン=ルーの山々を一望できます。
ロマンチックな夜景とともに、旅の締めくくりを。
3日目: モンペリエから近いヴィルヌーヴ=レ=マグローヌで自然を楽しむ
Villeneuve-lès-Maguelone
モンペリエの南約10km、バスでもアクセスできるヴィルヌーヴ=レ=マグロンヌは、手つかずの自然が残る穏やかな海辺の町です。
まずは中世の街をめぐる“音のさんぽ”で、波のように心地よいひとときを。
その後は「ヴィラ・エグザンドリオ Exindrio」で地元ワインのテイスティングを楽しみましょう。
ランチは、透き通るような地中海の海を望むレストラン「ル・カレ・メール Le Carré Mer 」へ。
新鮮な魚介と地元食材をふんだんに使った料理を、海風を感じながら味わえます。
もう少しアクティブに過ごしたい方は、地中海の風を受けながらカイトサーフィンに挑戦してみては?
一日の締めくくりには、「シャイ・ド・マグロンヌ Chai de Maguelone」で星空の下の特別な夜を。
幻想的な雰囲気の中で、忘れられない時間を過ごせることでしょう。
環境に配慮した旅のすすめ
モンペリエの街は電動自転車で巡るのも快適ですが、ぜひ一度は市内を走る“アートなトラム”にも乗ってみましょう。
クリスチャン・ラクロワらによってデザインされたこのトラムは、まるで動くアート作品のよう。
街歩きの時間をさらに特別な体験にしてくれます。

by Raymond Marie
ジャーナリスト
観光と文化を専門とするジャーナリスト、マリーには、書斎以外ならどこでも執筆できるというささいな奇癖があります。時間の空気と動きからインスピレーションを得ているからです。








