印象派150周年 ノルマンディー地方とパリ地方「印象派を巡る旅」

Port et bassin de Honfleur

印象派発祥の地であるフランス、ノルマンディー地方&パリ地方。
印象派の画家たちにインスピレーションを与えた場所は、現在もそのまま残されており、そこを訪問することで画家たちが感じた感動をもう一度体験することができます。

2024年に印象派150周年を祝う両地方の展覧会やイベントについて、各観光局の担当者にお話を伺いました。

KeyVisual(150ansImpressionnisme)JP


「印象派を巡る旅」


2023年12月14日、印象派発祥の地であるフランス、ノルマンディー地方ならびにパリ地方より来日した双方の観光局の担当者とともに、都内で記者発表会を開催し、2024年に印象派150周年を祝う両地方の展覧会やイベントについて紹介いたしました。

記者発表会では、はじめにノルマンディー地方観光局のミッション担当兼アジア市場担当のサビーヌ・パニエが、「印象派を巡る旅」と命名された観光デスティネーション(観光エリア)について説明を行いました。

つづいて、ノルマンディー地方とパリ地方の両観光局の間で「印象派を巡る旅」 プロジェクトリーダーを務めるナタリー・ルセールが、印象派誕生の背景について解説するとともに、印象派画家にインスピレーションを与えた場所が今も手つかずのまま残され、そこを訪問することで画家の感動を追体験できることを強調しました。


「印象派を巡る旅」では、ノルマンディー地方とパリ地方で体験できる印象派関連情報を発信中です


impressionistadventures.com


PARIS SEINE



パリ・イル・ド・フランス地方観光局  印象派プロジェクト担当のラファエル・ギユーは、パリ オルセー美術館のプロジェクトを説明。
「パリ1874年、印象派の創造(Paris 1874. Inventer l’impressionnisme)」展では、モネ、ルノワール、ドガ、モリゾ、ピサロ、シスレー、セザンヌらの作品約130点を集め、1874年にナダールのアトリエで行われた第1回印象派展に名を連ねた画家たちによる初期印象派の傑作が一堂に会します。その展示を補足する画期的なアトラクションが、バーチャル・リアリティ体験の「印象派画家と過ごす一夜、パリ、1874年(Un soir avec les impressionnistes, Paris 1874)」です。来場者はヘッドセットを装着することで、19世紀後半のパリの雑踏に紛れ込み、第1回印象派展のオープニングに立ち会うことができるのです。

最後にノルマンディー地方で3~4年に一度開催される「ノルマンディー印象派フェスティバル」のディレクター、フィリップ・プラテルが登壇し、2010年の初回から5回目の開催となる当フェスティバルの2024年版プログラムについて説明しました。2024年は印象派150周年を記念し、ノルマンディー全土で150の展覧会やイベントが開催されます。ル・アーヴル、ジヴェルニー、カン、ルーアン、ドーヴィル、オンフルールなど主要都市の美術館では、いずれも印象派の源流に関わる作家やテーマを集めた展覧会が開かれるほか、コンテンポラリーアートの作家の展覧会では、彼らの作品の中に印象派が継承されていく様を見てとることができます。

左からラファエル・ギユー、サビーヌ・パニエ、フィリップ・プラテル、ナタリー・ルセール


日本を基にフランスで生まれた印象派


フィリップ・プラテル

もし19世紀にフランス人が日本を訪れていなかったら、私たちは日本の印象派の影響を受けることはなかったでしょう。なぜなら、印象派の舞台も、両国の関係や文化の接点を物語っていて、実はそれほど遠くない関係性があるからです。
日本人もフランス人も、自然と共に生きる姿勢や、自然を大切にする文化的な価値観を尊重しています。自然との深いつながりを描く印象派の作品は、両国の距離を縮めることを表しているのです。
また、日本から大きな影響を受けた印象派の名画を、日本の美術館や収集家が数多く購入し広めたことで、印象派の作品が日本人にこれほどまでに愛されることにつながったのだと思います。

フィリップ・プラテル:ノルマンディー印象派フェスティバル ディレクター


次世代によって継承される印象派


ナタリー・ルセール

今回の来日中、上野の森美術館で展示「モネ 連作の情景」(外部リンク)を鑑賞し、とても感動しました。
ノルマンディー、パリ、アルジャントゥイユ、ヴェトゥイユで描かれた絵画に興味を持つ若い世代の人々がたくさんいること、そして印象派の作品をきっかけに、パリ地方・ノルマンディー地方を旅行先に選んでいただいていることを知り、本当に感銘を受けました。
芸術、特に印象派は、私たち2つの国と2つの文明をつなぐ素晴らしいものだと改めて思いました。例えば、オランジュリー美術館のクロード・モネ「睡蓮」の連作と、安藤忠雄氏が手がけた直島の地中美術館にあるクロード・モネ室のような両国の文化的対話と“禅”の美学が、現代の芸術家たちとの間でも交流し続けていることは、とても興味深いことです。


フィリップ・プラテル

次世代への継承は、この印象派150周年の展覧会やイベントでも重視していることです。片岡真実さん(森美術館館長)へドーヴィルでの展覧会を依頼するきっかけになりました。 彼女がキュレーションを務めるコンテンポラリーアートの展示は若い世代に人気があります。そして彼女は、印象派がどんな世代にも支持されることを理解しているからです。
今年のノルマンディー印象派フェスティバルでは、150のイベントの半数がコンテンポラリーアートを扱っています。展示されている作品からは、日本の現代美術家たちが依然として印象派の影響を受けていることが見てとれます。

ナタリー・ルセール:ノルマンディおよびイル・ド・フランス地方「印象派を巡る旅」プロジェクトリーダー(「モネ 連作の情景」会場にて撮影)


印象派を通じて環境変化と自然への関心深める


フィリップ・プラテル

印象派は私たちに自然の美しさや重要性を再認識させ、新たなアイデアや創造性をもたらしてくれます。数年前よりも自然を大切にするようになった今、印象派は私たちにとって重要な存在となります。 印象派の作品を通じて、人々は環境の変化と自然への関心をより深く理解する機会を得ることができると思います。


ラファエル・ギユー

2024年3月26日からパリ・オルセー美術館で開催される「1874年パリ、印象派の創造」展に合わせてパリ・ナンテール大学財団とともに開催される「印象派デスティネーション・シンポジウム」で議論されるテーマのひとつでもあります。
このシンポジウムでは、印象派が19世紀末の芸術に限らず、環境保護、産業・経済の進化と自然保護の共存など、様々な分野に新たな展望をもたらしたことを紹介します。

ラファエル・ギユー:パリ地方観光局印象派プロジェクト担当(「モネ 連作の情景」会場にて撮影)


世界で愛される印象派


ナタリー・ルセール

印象派は、特にポール・デュラン=リュエルのようなコレクターのおかげで、国際化された最初の芸術運動のひとつでした。 印象派の作品を実質的に最初に購入したのは、実はアメリカの大財閥なんです。印象派はフランスよりもアメリカで広く認知されていました。


フィリップ・プラテル

印象派というとフランスと結び付けられやすいですが、実際には非常に国際的な絵画です。 2024年のノルマンディー印象派フェスティバルにも国際的なアーティストをたくさん招待しています。

サビーヌ・パニエ:ノルマンディー地方観光局ミッション担当・アジア市場担当(「モネ 連作の情景」会場にて撮影)


今回のノルマンディー地方、パリ地方の2つの地方に点在する「印象派を巡る旅」のスポットでは、旅の思い出に、そしてお土産にもぴったりなクリエイティブに富んだ印象派の作品のアートグッズが購入できる美術館がたくさんあります。絵画鑑賞の後は、お買い物もお楽しみください。


撮影協力:「モネ 連作の情景」(外部リンク)




展覧会「モネ 連作の情景」