ブルターニュの一風変わった散策

海あり山ありのブルターニュを(再)発見して感動したい、ですって?ブルターニュ地方のトレッキング愛好家ティボー・ポリエルが、みなさまを普通の散策コースの外にご案内いたします。

シザン岬Cap Sizun

プロゴフPlogoffからトレブルTréboulまで、驚きの光景が広がります。沿岸地帯は完全に引き裂かれたようにデコボコで、歩きながら終始様々なビューポイントを楽しむことができます。おそらく、ブルターニュの姿を最も良く感じられる場所がここでしょう。私はここに来るたびに、ヴァン岬Pointe du Vanで写真撮影を終えるか、トレパセ湾Baie des Trépassésの断崖の上に腰を下ろして、常連のサーファーたちを眺めたくなるのです。そして日没とともに素晴らしい1日が終わるのを、そこで静かに待つのです。

クロゾン半島Presqu’Île de Crozon

私はこのクロゾン半島の景色に飽きることは決してないと思います。この広大な空間と変化に富む景観、ブルターニュの手つかずのパラダイスを散策中に発見、再発見することが、この上ない私の喜びなのです。普通は散策コースを歩きますが、とりわけ干潮時に海食洞を探す目的で、あえてコースの外に出ることもよくあります。自分へのご褒美、そして毎回同じワクワク感を自分に与えてくれる特権です。GR(自然遊歩道 : Grande Randonnéeの略)の中で私が好きな区間は、ヴェリアックVeryac’hとケルロックKerloc’hの各ビーチの間です。そこから断崖を見下ろせると同時にペニール岬pointe de Pen-Hirの想像を絶するパノラマが広がります。夢見心地にさせる色彩の、ブルターニュで最も美しいビューポイントの数々が、この区間に集まっています。1日の終わりには、夕陽が断崖を照らして燃えるような色合いを引き出しますし、海岸の手つかずの砂浜に打ち寄せるトルコ石色の海も必見です。

アレ山 Monts d’Arrée

私達のブルターニュの小さな山々は、フランス最高峰のメダルを獲得することはないでしょうが、四季ごとに移り変わるその魅力では負けていません。感動的なのは、ブレニリス 湖Lac de Brennilisを中心とする広大な場所の真ん中で見られる岩々です。私は絶えず雰囲気が変化する秋か冬にそこに行くのが好きです。空は春夏よりもどんよりとしていて、日の出でも日の入りでも薄い霧がすぐに立ち込めて、この場所をより神秘的な雰囲気にします。

フレエル岬Cap Fréhel

フレエル岬へ行くというだけで、いつも旅に出る気分になるんです。オレンジがかった赤色のこの巨大な崖には、他とは違う何かがあります。崖の上側でも下側でも、景観の美しさが印象に残ります。海が引くと多くの洞窟が現れて、格別の散策が楽しめます。動物の種類も豊富で、様々な種類の鳥類が巣作りをします。私は幸運にも、岩に留まっている50羽以上のウミガラスを観察することができました。これはブルターニュではとても珍しいことです。一風変わった景色を求めてもう少し散策を続け、岩場の尖端にはめ込まれたラット要塞Fort la Latteまで行くこともできます。

サン=カスト=ル=ギルドSaint-Cast-le-Guildo

かなり時間がたってから発見したこの周辺の海岸の美しさは、驚きでした。トレッキング・コースから海の色が堪能できるベ岬Pointe du Bayからティケラ岬Pointe de Tiquerasまでの緑の豊かさにびっくりしたんです。シャトレ岬pointe du Châteletからは、フレネ湾Baie de la Frasnayeの壮大なパノラマを堪能できます。私は初めてここに来た時のことをいつまでも忘れないでしょう。夕暮れ時は、あらゆる色合いに彩られて壮観でした。その光景に私はくぎ付けになり、暗くなるまでそこを離れることはありませんでした。これは一般にほとんど知られていないながら、もっと有名なスポットにひけをとらない場所の発見がいつもある、ということの証だと思います。

ディナール

私は都市よりも自然により魅力を感じて、ディナールの街を訪れたところなのですが、実は確信が持てていなかったんです。でも最終的には距離を気にすることもなく、街を取り囲む散歩道を全部歩き切ってしまいました。
夏は好きなビーチで涼をとり、冬は散策コースのすぐ近くで荒れ狂う海を見る、幸せが数キロにわたって続きます。海岸を見下ろす多くの邸宅は、沿岸の風景と完璧に調和しています。ディナールに散策に来るのは、いつも楽しみなんです。