ボルドー「バッサン・デ・リュミエール」がオープン

ボルドーにある旧潜水艦基地が巨大なデジタルアートセンターに生まれ変わります。
「バッサン・デ・リュミエール(光の係留池)」と名付けられたこの施設では没入型アートイベントが予定されています。
訪れた人は、プロヴァンス地方にあるキャリエール・ド・リュミエール(光の採石場)やパリにあるアトリエ・デ・リュミエール(光のアトリエ)のように、プロジェクターを使ってアート作品を360°全方位的に投影した空間を自由に鑑賞して回ります。2020年6月10日よりオープン。

打ちっ放しのコンクリート、鋼鉄、水、薄闇、歴史...。ボルドーのバッサン・ア・フロ地区にある旧潜水艦基地は異彩を放つ場所です。ガロンヌ川沿いにある面積42,000m2、高さ20m弱のこの巨大な掩蔽壕(バンカー)は、第2次世界大戦中にドイツが潜水艦を収容するために建設しました。

分厚いコンクリートの壁で隔てられた11の房室が1本の内部通路で連結されているこの基地では、すでに定期的に特別展、コンサート、ショーが“アンダーグラウンド”な雰囲気のもとに開催されています。

絵画の中に入り込む旅

基地内の4つの係留池(縦100m、横22m、高さ12m)にて世界最大級のマルチメディアインスタレーションがお目見えします。

バッサン・デ・リュミエールの面積は2018年にパリにオープンしたアトリエ・デ・リュミエールの5倍、2012年にボー・ド・プロヴァンスにカルチャースペース Culturespaces(文化施設の管理運営やプロモーションを行う団体)初の没入型デジタルアートセンターとしてオープンしたキャリエール・ド・リュミエールの2倍に相当します。

バッサン・デ・リュミエールでは訪れた人にAmiex(Art & Music Immersive Experience)の技術を通じて、まるで絵画の中に入り込んだかのような体験を音楽とともに提案します。なお、パリのアトリエ・デ・リュミエールとプロヴァンス地方のキャリエール・ド・リュミエールでは2019年、クリムトに続いてゴッホをテーマにしたアートイベンドが開催されます。

同じ手法のもとにボルドーでも、100台ほどのビデオプロジェクターと数千枚のデジタル画像を使った魔法のような演出を通じて、西洋美術史に名を残した巨匠たちの絵画や彫刻作品が巨大な潜水艦基地に映し出されます。

水面に映る影に心を奪われる

幻想的なデジタルインスタレーションに加え、4つの巨大な係留池の水面に揺れる映像の影も見どころです。この視覚と聴覚を刺激する特大サイズのアートイベントを堪能してもらうため、鑑賞コースは係留池をまたぐ橋とプラットフォームに沿って途切れることなく設定されました。心揺さぶる感動の体験となること請け合いです!

バッサン・デ・リュミエールでは年間を通じて数種のイベントが同時に開催されます。つまり、美術史を彩る巨匠たちの作品をテーマにしたデジタルインスタレーションと肩を並べて、「ル・キューブ」と命名された展示スペースにて現代のアーティストによるデジタルクリエーションが紹介されるのです。

2020年6月10日のオープニングでは、「グスタフ・クリムト」展が開催されます。 プログラムでは、1世紀のウィーンの絵画と、ポートレート、風景、ヌード、色彩を通して、グスタフ・クリムトとウィーン分離派を独自に概観しました。
バッサン・デ・リュミエールでは「とびきり偉大な巨匠の作品を、とびきり美しい演出で」を約束しています。どうぞお楽しみに!