ニースの「ガール・デュ・シュッド」(旧南駅舎)

インスピレーション

コートダジュール美食とワイン

ニースの旧駅ガール・デュ・スュッド(Gare du Sud)はグルメスポットへと変貌を遂げました。
© Ilan Dehé - ニースの旧駅ガール・デュ・スュッド(Gare du Sud)はグルメスポットへと変貌を遂げました。

この記事は 0 分で読めます2019年10月20日に公開

ニースの中心部、リベラシオン地区にたたずむ「ガール・デュ・シュッド(南駅 Gare du Sud)」。ギュスターヴ・エッフェルの設計思想に着想を得た美しい鉄骨の駅舎が、かつての面影を残しながら、食とカルチャーの新たな発信地としてよみがえりました。歴史的建造物にも指定されているこの場所では、今、ニース内陸部をはじめ南仏各地の風味や香りがにぎやかに交差しています。

1991年までは、ここからディーニュ=レ=バン方面へ向かう列車が発着していましたが、今では当時のプラットフォームを舞台に、食事を楽しめるようになりました。

グルメもカルチャーもひとつの空間で

広々とした1,500㎡の床面と1,000㎡のメザニン(中2階)を活かしたこの空間では、地元の料理人たちが腕をふるう多彩なメニューを味わえるのはもちろん、掘り出し物を探したり、アートや音楽に触れたり、思い思いのスタイルで過ごすことができます。ニースの人々や観光客が自然と集まる、今もっとも注目のスポットのひとつです。

ニースのガール・デュ・スュッド(Gare du Sud)にて、DJセット
© Ilan Dehé - ニースのガール・デュ・スュッド(Gare du Sud)にて、DJセット

エッフェルの精神を受け継ぐ、歴史ある空間

現在のガール・デュ・シュッドを彩る鉄骨のホールは、もともと1889年のパリ万博のために、ロシアとオーストリア=ハンガリーのパビリオンとして建てられたもの。ギュスターヴ・エッフェルの影響を色濃く受けた設計で、当時の建築美が今も息づいています。

中央には大きなバーカウンターが構えられ、共有テーブルが並びます。
温かな黄色をアクセントにした内装と、温室のようにしつらえた南国風の植物たちが、旧市街ニースの陽気な雰囲気を感じさせてくれます。

ニースのガール・デュ・スュッド(Gare du Sud)にて、食卓を囲む
© Ilan Dehé - ニースのガール・デュ・スュッド(Gare du Sud)にて、食卓を囲む

by ドゥロルム アンヌ=クレール・

旅行ジャーナリスト

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