2021年の ツール・ド・フランスは、ブルターニュ地方のブレストを出発し、21ステージ、3414kmを駆け抜けます。ゴールはパリのシャンゼリゼ通り。ブルターニュからロワール渓谷へ、アルプス山脈からプロヴァンスへ、オクシタニーからピレネー山脈へ、選手たちは美しい風景がつぎつぎと流れ去るのを目にします。選手の集団を追いかけながら、豊かなフランスの地方を発見してください。
グランデパールはブルターニュ
2021年大会のスタート地点はブレストBrestです!ツール・ド・フランスの恒例の場所となりつつある、この「芸術と歴史の街」がグランデパールとなるのは今年で4回目。フィニステールFinistèreで行われる第1ステージでは、海岸線から離れずにダウラスDaoulasを経由して南下し、個性豊かな小さな町ロクロナンLocronanや、芸術と伝説の都カンペールQuimperを通過します。アレー山脈を経て、最後は現代アートの拠点であり、歴史が色濃く残る街並みのランデルノーLanderneauに到着です。
コート・グラニット・ローズ(薔薇色花崗岩海岸)のペロ・ギレックPerros Guirecがスタート地になるのは実に25年ぶり。第2ステージは全てコート・ダルモール県で行われ、素晴らしい眺めを保証します!ルートの前半は、海から目が離せません。その後、パンポルPaimpol、ボーポル修道院l’abbaye de Beauport、プルハの断崖les falaises de Plouhaを経由して、サン=ブリウーSaint-Brieucへと南下します。ゴールはミュール・ド・ブルターニュMur-de-Bretagneの激坂が待ち受けています。かの有名な2Kmの登攀は、すべての選手の頭の中に星を浮かび上がらせ、子供たち人にマイヨジョーヌの夢を抱かせることでしょう!
ツールの舞台となるのが13回目のロリアンLorientでは、通過する選手たちを見届けることはもはや恒例の行事と言えるでしょう。このモルビアン県での第3ステージは、南から北に向かって、キブロン湾baie de Quiberon、エテル渓谷ria d’Etel、カルナックCarnacとその周辺、そしてブルターニュの中心部の内陸部へと進みます。注目は、ナポレオン時代の都市、ポンティヴィPontivy!
ブルターニュ地方の最終日となる第4ステージは、最も距離が短く、特別な困難もないことから、南のルドンRedonから北のフジェールFougèresまでを横断するイル・エ・ヴィレーヌIlle-et-Vilaineに注目が集まります。その後、選手たちはかつてこの地域を守っていた城塞を目指します。千年の歴史を持つ中世の街ヴィトレVitréを経て、花崗岩の要塞都市フジェール城Château de Fougèresの近くでスプリントでゴールします。
ブルターニュ地方観光局公式サイト(日本語)
ロワール:マイヨンヌ県から古城のルートを走り抜ける
ツール・ド・フランスでタイムトライアルの舞台となるマイエンヌ県Mayenneですが、それとは逆にここの暮らしはゆったりとしています。中世のお城と城壁が見下ろすラヴァルLavalは、芸術と歴史の街。美術館MANAS (Musée d’Art Naïf et d’Arts Singuliers)では、税関吏ルソーDouanier Rousseau(アンリー・ルソーの通称名。税関吏であり趣味で絵画を描いていたのでこのように呼ばれる)の作品など、素朴派芸術作品のコレクションがヨーロッパで最も充実しています。ラヴァルは、マイエンヌ県を横切るフランスで最も美しい航可水路のひとつ、マイエンヌ川に沿って広がる街です。美食と史跡を愛する方は、田園地帯、街、村を通る水路の流れに身を任せ、37の水門を巡りながら高台のお城の数々が臨めます。料理自慢の酒場、職人たち、そして郷土愛にあふれる生産者などに出会い、フランス式アール・ド・ヴィーヴルを体験する絶好の機会です。
ペイ・ド・ラ・ロワール地方観光局公式サイト(フランス語)
第6と第7ステージが行われるサントル・ヴァル・ド・ロワール地方Centre-Val de Loireは、温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、古くから王侯貴族たちに愛された土地。豪華な邸宅や保護遺産にリストアップされた要塞、そして数々の古城では、時間を超えた他にはない体験ができます。
自然あふれる素晴らしいサントル・ヴァル・ド・ロワール地方は、日常を忘れて充電するのにぴったりの魅力あるスポットでいっぱいです。古城では、時をさかのぼり過去を追体験したり、ゆっくりと過ごして子供心を取り戻したり、時間を止めて時計の針をあわせたり。あるいはまた時代を超越した古城を隅々まで観察してみてはいかがでしょう。
前半戦の山場、アルプスへ
伝説の峠、完璧なルート、本物の風景。第8~第10ステージの舞台となるオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方Auvergne-Rhône-Alpesは、サイクリング愛好家にとってパラダイスです。多くの周回コースが整備されており、思い思いのリズムでこの地方を旅することができます。レマン湖やアヌシー湖の湖畔、オーヴェルニュ地方の火山道、川沿いの静かなサイクリングルート(ヴィアローナViaRhôna、ヴィア・アリエVia Allier)は、サイクリング初心者にとって理想的です。山々、ブドウ畑、のどかな村々や陽当たりの良い渓谷など、多様な景観を見にいらしてください。ゆっくりと美しく保護された自然に触れ、ただ単にリラックスして下さい。アルプスの峠にアタックする気満々の真のスポーツマンであれ、水の流れに沿って楽しく散歩しようという行楽客であれ、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方には、あなたが求める遊び場が必ずあります。サイクリングのファンの方々は、サヴォワ地方のグラン・ザルプ周遊コースで、ツール・ド・フランスの伝説の峠の数々を駆け抜けることができます。
プロヴァンスの田園風景とヴァントゥー山
7月7日、あの伝説のヴァントゥー山mont Ventouxにツール・ド・フランスが戻ってきます。そして今年はなんと、この山頂を2度も登るという初の試みです! 選手たちは、アヴィニョンAvignonから15分、シャトーヌフ・デュ・パプChâteauneuf-du-Papeにほど近い小さな町、ソルグSorguesをスタートし、まず有名なワイン産地のブドウ畑を横切ります。プロヴァンスの田園風景の中の小道を通って、ペルヌ・レ・フォンテーヌPernes-les-Fontaineまで行き、そこかリル・シュル・ラ・ソルグL'Isle sur la Sorgueとフォンテーヌ・ド・ヴォークリューズFontaine de Vaucluseの近くまで行きます。最後にリュベロン山脈Luberonが地平線上に現れ、ゴルドGordesやルシヨンRoussillonといったプロヴァンスを象徴するような高台の村が現れます。ヴァントゥー山を登るのは、ラベンダーの花が咲き乱れるソーSaultからと、ベドワンBedoinからの2回。誰もが待ち望んでいたステージです!
ブドウ畑を走り抜ける、西海岸沿いのルート
ヌーヴェル・アキテーヌ地方Nouvelle-Aquitaineでのツール・ド・フランスは、7月15日にピレネー山脈の玄関口、アンリ四世のゆかりの地ポーPauをスタートし、新市街のムーランクスMourenxから大西洋岸に沿って進んでいきます。ヨーロッパ最大の国立公園であるランド地方と、絵のように美しいリュクシー村Luxeyを横切り、ボルドーのブドウ畑から古い城塞都市カディヤックCadillacを経て、ペリゴールPérigordの玄関口であるリーブルヌLibourneに到着します。7月17日に行われるツール・ド・フランスの最終タイムトライアルのルートは、リーブルヌとサンテミリオンSaint-Émilionの間で、ポムロールPomerolとモンターニュMontagneを通過する、名高いワイン産地を巡るものとなっています。ツール終盤のタイムトライアルでは、マイヨジョーヌの最終的な獲得者が決まるため、サスペンスが楽しめるはず!
ヌーヴェル・アキテーヌ地方の宝探し「テラ・アヴェンチュラTerra Aventura」は、10周年とツール・ド・フランスを記念して、新しい自転車ルートを提供します。 ヌーヴェル・アキテーヌ観光局公式サイト(英語)
最終地点のパリへ
シャンゼリゼでランデヴー! 印象派の画家たちが描いたセーヌ川沿いの街シャトゥーChatou、歴代フランス国王の公式な住まいであったヴェルサイユ宮殿、その街中にある王の菜園や朝市、骨董店街を通過して、勝者としてシャンゼリゼに到着する光景は、なんと素晴らしいことでしょう!ツール・ド・フランス最終ステージは、パリ市内の凱旋門、コンコルド広場、チュイルリー公園、オペラ座、ルーヴル美術館を駆け抜け、シャンゼリゼ大通りに到達します。世界で最も有名な大通りで勝利を祝うべく華やかに迎え入れられる。サイクリストたちにとって、これ以上望むべくもないコースです。
ここは、他に類を見ない歴史的遺産と文化的ダイナミズムを持つ魅力的なデスティネーションへの入り口であり、文化がガストロノミー、ショッピング、メイド・イン・フランスのファッションと韻を踏む、多様性とおもてなしに溢れた場所です。世界一の観光地であるパリ・イル・ド・フランス地方で、魔法の体験を何度でもお楽しみください。

by France.fr編集部
あなたの知らなかった、新しいフランスの魅力をお伝えします。