持続可能なフランスの味わい:6つのアドバイス

インスピレーション

美食とワイン

マルシェの野菜
© Brad Pict / Adobe Stock - マルシェの野菜

読了目安時間: 0 分31年5月2021日に公開

食事は旅の最大の楽しみのひとつ。特にフランスでは!質の高い食材、地元の味、その土地の伝統、自然と季節への敬意・・。フランスは常に、美味しく食事をする術を好んで育んできました。ユネスコも2010年、フランス料理を無形文化遺産に登録しましたよね?環境問題に直面して、料理法がこれまで以上に関心を集めています。持続的においしく味わっていただけるよう、この実用ミニガイドが、ロカヴォア(locavore : 地元lotal+食べる人voreを表す接尾語を併せた造語で、地元産の食材を食べる人のこと)とグルメのみなさまの食欲をそそります。

田舎の農園に通う…

家族でピッキング
© Chapeau de Paille - 家族でピッキング

8,000の農業従事者が参加する団体「ビヤンブニュ・ア・ラ・フェルムBienvenue à la Ferme(農園へようこそ、の意味)」は33年前から、フランス全土で自身の農園を見学者に開放し、食事や「農園での」寝泊をも提供しています。4,400のお店、720の生産者直売場と120のドライブ農園(生産者や仲介者が消費者の住む場所や地域に、車や自転車などで直接出向いて販売するシステム)で、ブルターニュ産、オーヴェルニュ産、ノルマンディー産の新鮮な野菜・果物・チーズ・肉・加工精肉食品などを直接購入することができます。もう一つのパイオニア、収穫ネットワークの団体「シャポー・ド・パイユChapeau de Paille(麦わら帽子、の意味)」は、1985年からパリ近郊とフランス全地方の農園、果樹園、菜園にて、産地直売ファンをお迎えしています。さあ、買い物かごを持って出かけましょう!

…そして都市の農園にも

パリ地域の都市型農場
© NU PARIS - パリ地域の都市型農場

実は田舎でなくても、本物の農家の人に会ったりリンゴを木から収穫したり、ちょっと酸味の効いたきれいなイチゴをかごいっぱいに摘むことはできるんです。ここ数年、農業が再び都市で行われるようになり、都市部の農園(パリに約30、フランス全土で400以上)が屋上も含めて、続々と増えています。そしてヨーロッパ最大の都市型屋上農園がパリ、ポルト・ド・ヴェルサイユ展示会場の第6パヴィリオンの屋上にできました。キイチゴ、サヤインゲン、トマト、ミニキャロットやハーブなどが、季節に応じて栽培されています。来場者をお迎えして試食していただくことはまだできませんが、「都市の中の自然Nature Urbaine(NU)」社のグルメ袋により、旬の生産物をお楽しみいただけます。ナントでは、SAUGE(献身的参加型都市農業社:Société d'Agriculture Urbaine Généreuse et Engagée)が運営する都市農園AgronauteがMIN(旧国益市場:marché d'intérêt national)の敷地に試験的に設置され、わら束の苗床で発芽させる栽培法で美食家たちを喜ばせています。ロカヴォアとイノベーションがタッグを組めば、なお良しですね!

社会問題に取り組むシェフを応援する

ティエリー・シュワルツ  シェフ
© Restaurant Thierry Schwatz - ティエリー・シュワルツ シェフ

パーマカルチャー(permaculture :永続性permanent+農業agriculture+文化cultureを組み合わせた造語。永続的な農業と文化で、人と自然がともに豊かになる関係を築くこと)を取り入れた菜園、短い流通経路、土壌・季節・生産者と動物に対する敬意、堆肥中の有機物の再利用など、偉大なフランス人シェフたちは、ますますグリーン・ガストロノミーに傾倒しています。そして彼らの努力にはちゃんと報いがあります。2020年からミシュランが、最も積極的に取り組み責任ある料理を提供するお店に、グリーン・スターを与えているのです。有名な赤いミシュラン・レストランガイドの『持続可能なガストロノミーGastronomie durable』コーナー第2版(2021年は33軒)には、アルザス地方オベルネで18年にわたり、短い流通経路と地元産の食材を使い廃棄物ゼロを実践するティエリー・シュワルツThierry Schwartzのようなベテラン達とともに、アルカッション湾近くのレストランONAで100%ビーガン料理を提供するクレール・ヴァレClaire Valléeらの若手も名を連ねています。彼らの共通点とは?それはエコロジーの制約の下にあって、ノウハウと伝統を守りながら、大胆で創造的な料理を生み出していることです。彼らに1票を投じます!もし状況が許せば、2021年10月に予定されている次回のグード・フランスGoût de France/Good Franceが待ち遠しいです。これはフランス・ガストロノミーの美味しい味覚とそのシェフたちを世界中で称えるイベントで、次回はクリストフ・エChristophe Hayの協力を得て、持続可能な料理が中心となるでしょう。彼は植物を使った料理や昔の野菜に情熱を傾けるミシュラン2つ星のシェフで、ヴァル・ド・ロワール地方、シャンボール城からすぐの立派で美味な自身のレストラン、ラ・メゾン・ダ・コテLa Maison d’à Côtéで腕を振るっています。

トレースを学ぶ

オーガニック認定のりんごと梨
© illustrez-vous / Adobe Stock - オーガニック認定のりんごと梨

スーパーの棚の商品はどこからきたのか、またレストランのメニューで使用される食材の生産元にどうすれば確信を持てるのか?地元のものだとされる特産物の品質をどう考えるべきなのか?消費者たちも美食家たちも、有機栽培されたものを含め、農作物と食品についての透明性と情報を、ますます求めるようになっています。2020年5月27日の法律により、「フランス産の農作物Produits Agricoles de France」や「有機栽培農法Agriculture Biologique(AB)」といった既存のロゴやラベル、マークだけではもはや満足しなくなっているのです。一方でSIQO(品質と産地の識別マーク:Signes d’Identification de l’Origine et de la Qualité)は、AOP(原産地保護呼称:Appellation d’Origine Protégée )、AOC(原産地管理呼称:Appellation d’Origine Contrôlée )、IGP(地理的表示保護:Indication Géographique Protégée )の認証ラベルを持つ、土地の生産物の基準であり続けています。 これまでの最新の取り組みの中では、去る1月に農業・食料省ministère de l'Agriculture et de l'Alimentationが農業会議所Chambres d'agricultureと共同で立ち上げたプラットフォーム「フレッシュ&ローカルFrais et Local」を使えば、生産者ごとの近くの販売場所を簡単に検索できます。また最近では、大型流通業者や食品小売店がウェブサイトで広告バナー「お宅とお好みにより近くPlus près de chez vous et de vos goûts」を展開し、フレッシュでローカルな産品を求める声の高まりに応えています。さあ、トレースせずに消費することは、もう言い訳できませんよ!

Label Rouge Agence Bio Alsace Qualité

持続可能な漁業を応援する

Marine Stewardship Council
© Marine Stewardship Council

ブルターニュやノルマンディー、また地中海沿岸では、海から戻ったばかりの曳き網船から直に、あるいは現地の魚市場で、いつも魚介類や甲殻類を買うことができます。それ以外の時間は、例えば2017年に始まったフランスの自然環境保護ラベル「持続可能な漁業Pêche Durable」に認定された、海にやさしい漁業をぜひ応援してください。大海の一滴に過ぎない、ですって?そんなことはありません!これこそ非営利団体(NGO)「海洋管理協議会Marine Stewardship Council」による考え方で、大規模漁業が多数を占める中、責任ある、海にやさしい持続可能な漁業の認証ラベルMSCはそこから生まれたのです。小規模漁業者についても、より小さなラベルなので見つけにくいのですが、ちゃんと認定制度があります。例えば小規模漁業団体Smartは「小規模漁業Artysanal Pêche」のラベルを発行していますし、ほのぼのとしたデザインの認証ラベル「スズキの一本釣り‐ブルターニュ半島」は、フィニステール県のドゥアルヌネDuarnenezやラニルドゥトLanildutで見られるブルターニュ半島の釣り愛好家による団体のものです。さあ、すべてが変わりますよ!

地方自然公園の潜在的価値を高める

ヴォージュ山脈公園でのトーム・デ・ボージュ・チーズ製造のノウハウ
© PNRMB/Sylvain DUSSAND - ヴォージュ山脈公園でのトーム・デ・ボージュ・チーズ製造のノウハウ

フランスの全54か所の地方自然公園を訪れれば、美味しいものでかごがいっぱいになります!生物多様性と環境に配慮した農業の開発にとって不可欠の地方自然公園は、認証マーク「地方自然公園の価値Valeurs Parc naturel régional」によって「質よく食するbien manger」を促進しています。よだれが出てきましたか?リンドウの根を原料とするオーヴェルニュ地方の火山が産地のリキュールで、1998年に最初に認証マークを獲得したアヴェーズAvèze、プロヴァンス地方サント=ボームSainte-Baumeのヤギのチーズ、アルデッシュ山地の栗、ノルマンディー・ぺルシュ地方のバゲットなど、どれも間違いなく味覚の喜びを感じていただけます。さらにブルターニュ地方モルビアン湾のハマグリ、シャンパーニュ地方オリアンの森forêt d’Orientの自家製ジャム、アルプ・ダジュールAlpes d’Azurの放牧された鶏、ヴェルドン渓谷のはちみつなども味わってください。またミシュランのグリーン・スターを獲得したヴァンサン・シモンVincent Simonをはじめとしてシェフたちも、この認証マーク(「地方自然公園の価値Valeurs Parc naturel régional」)を支持しています。ヴァル・ド・ロワール地方のレストラン「キュイジニエ・ド・カンパーニュcuisinier de campagne(田舎の料理人、の意味)」の「0㎞」コースは、美味にして当然に持続可能なメニューです。レシピ、生産者、各地方自然公園内のおススメのアドレスが、マラブー社から出ている『地方自然公園のグルメルートItinéraire gourmand dans les Parcs naturels régionaux』に集められ、食欲をかき立ててくれます。

Filliâtre Pascale

旅行ジャーナリスト。未知なるフランスをご紹介します。 filliatre.pascale@orange.fr

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