シュヴァルの理想宮

インスピレーション

リヨンアルプス・モンブランプロヴァンス文化・遺産

 Emmanuel Georges
© Emmanuel Georges

この記事は 0 分で読めます2013年1月1日に公開

名前はシュヴァル(馬)で職業は郵便配達人、フェルディナン・シュヴァルは43歳から33年の歳月をかけ、自分の空想による巨大な城を建設しました。彫刻の施された石が積み上げられ出来上がった城塞は、今日では年間15万人が訪れる観光名所となっています。

「たったひとりの男が作った城」 シュヴァルの理想宮

郵便配達人フェルディナン・シュヴァル(1836~1924)は1879年、ひとりで空想の城の建設に取り掛かります。 33年後の1912年、城は確かに現実のものとなりました。シュヴァルの理想宮と名付けられた城は、シュヴァルが毎日少しずつ石を積み重ね上げたことにより生まれたのです。

シュヴァルは日々の配達物の中に時折見つかる絵葉書や雑誌から外国に思いを馳せていました。連日の配達途中、田舎道に落ちている石に目をつけては仕事後に拾いに行く生活を続け、それらを緑の生い茂った自宅の庭先に積み上げ続けました。

シュヴァルの理想宮:ジャンル分け不可能な有名建築

フェルディナン・シュヴァルの建築は、5大陸で発達したあらゆる時代のあらゆる建築様式をヒントとしているため、ジャンル分けのできない作品です。積み上げられた石にはカイマンや象、ペリカン、そして妖精や歴史的人物、神話の登場人物など、非常に沢山の動物や植物、怪物の彫刻が施されており、全体的に混沌とした雰囲気が醸し出されています。

いかなる美術流派にも属さなかった独学の男の宮殿は、アンドレ・ブルトンやピカソ、ニキ・ド・サン・ファル、ジャン・デュビュッフェなど多くのアーティストに称賛されました。尚、シュヴァルの宮殿は1969年にナイーブ・アートとして歴史的建造物に指定されています。 1924年にその生涯を閉じたフェルディナン・シュヴァルは、オートリヴ村の共同墓地にある自分と家族のために自ら制作した墓所に眠っています。墓は彼自身により「終りなき沈黙と休息の墓」と名づけられています。

住所:Palais Ideal du Facteur Cheval

8 rue du Palais 26390 Hauterives

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