アルプスで味わうべき山の恵み5選

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ラクレットとシャルキュトリのプレート
© Shutterstock - ラクレットとシャルキュトリのプレート

この記事は 0 分で読めます2020年3月6日に公開, 2025年12月15日に更新

この冬、銀世界への逃避行をお考えですか? スキーの合間には、アルプスが誇る5つの山の恵みでおいしい一休みをどうぞ! チーズフォンデュにラクレットにクロゼに舌鼓を打つことうけあいです。

冬の旅先に迷っているなら、雪景色のアルプスへ。
スキーを楽しんだあとは、山の恵みをふんだんに使ったあたたかな料理でほっとひと息。
チーズフォンデュやラクレット、クロゼなど、この季節ならではの味わいが体をやさしく温めてくれます。

チーズフォンデュ

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山でのいちばんの思い出といえば?
やっぱり、みんなで囲むチーズフォンデュ
鍋の底をさらったり、パンを落として盛り上がったり…あのワイワイした時間こそ、スキー旅行の楽しさですよね。

サヴォワ地方では、ボーフォール、アボンダンス、エメンタールが定番の組み合わせ。
白ワインとにんにくで香りをつけ、仕上げにほんの少しキルシュを加えると、ぐっと深みが出ます。
地域によってはコンテやトム・ド・サヴォワ、モルビエを使うこともあり、味わいはさまざま。
どれが好きかは、まさに人それぞれです。

旅の途中で味わうなら、地元の農家や生産者のチーズを選ぶのがおすすめ。
レストランでも、近郊の食材を使う店なら、その土地らしいおいしさに出会えます。

ラクレット

AdobeStock / Dmitry-Evs
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もうひとつの“山の名物料理”といえば、やっぱりラクレット。
チーズ好きはもちろん、ハムやじゃがいもが好きな人にも喜ばれる、みんなが笑顔になる料理です。
19世紀にアルプスの向こう側で生まれたこの一皿は、国境を越えて広まり、いまでは冬の定番として親しまれています。

なかでも 「ラクレット・ド・サヴォワ(IGP)」 は、黄色からオレンジ色のなめらかな表皮が特徴。
さらに、こしょうや白ワイン、アイユ・デ・ゾルス(行者ニンニク)、ブナの木で燻製したタイプなど、さまざまなフレーバーがあり、好みに合わせて選べる楽しさがあります。

フォンデュと同じく、ラクレットも大切な人と囲む“あたたかな時間”をつくってくれる料理。
地元のフリュイティエール(チーズ工房)や協同組合で購入したり、近隣の食材を大切に扱うレストランで味わったりと、旅先ならではの楽しみ方もさまざまです。
冬の冷たい空気のなかで食べるラクレットは、格別のひと皿です。

クロゼ

ALF photo / Adobe Stock
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伝説によると、クロゼは17世紀、モンブランのほど近く、サヴォワ地方のタランテーズ渓谷で生まれたと言われています。
名前の由来は、サヴォワの方言で「小さい」を意味する croé(クロエ)。
その名の通り、クロゼは小さな四角い形をしたパスタで、小麦粉・卵・塩・水だけでつくられる素朴な一品です。

スープに入れたり、ボーフォールと一緒にグラタンにしたり、
タルティフレットをアレンジした「クロジフレット」にしたりと、食べ方はさまざま。
山岳地帯で生まれたこの“ミニパスタ”は、山を越えて移動する際に、できるだけ荷物を軽くしたいという山の民の知恵から生まれたとも言われています。

ガトー・ドゥ・サヴォワ

© Shutterstock
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羽のように軽い食感が特徴のこのケーキは、サヴォワ地方を代表するお菓子のひとつ。
紅茶と一緒にいただくのにぴったりで、じゃがいものデンプンや小麦粉、砂糖、卵、すりおろしたレモンの皮だけでつくる、とてもシンプルなレシピです。

このアルプスの名物が生まれたのは 1358年、シャンベリ。
サヴォワ伯アメデー6世と、神聖ローマ皇帝カール4世の外交会談の席でふるまわれたのが始まりとされています。
ちなみに当時、サヴォワはまだフランス領ではありませんでした。

この“ふわふわケーキ”の生みの親は、サヴォワの菓子職人 ピエール・ド・イェンヌ。
いまではアルプス各地のブーランジュリーやパティスリー、ティーサロンで出会える、旅の休憩にぴったりの伝統菓子です。

ブリオッシュ・オ・プラリネ

© iStock - Alphotographic
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アルプスでぜひ味わいたい山のお菓子といえば、ブリオッシュ・オ・プラリーヌ(ブリオッシュ・ド・サン=ジュニ)。
その誕生は1880年。サン=ジュニの菓子職人、ピエール・ラビュリーが、店で手づくりしていたプラリーヌをブリオッシュの生地に入れて焼き上げたのが始まりと言われています。

焼き上がったブリオッシュは、溶けたプラリーヌの色でほんのりピンクに染まり、香ばしい甘さが広がるかわいらしい一品に。
評判を呼んだラビュリーは、このレシピを「ガトー・ラビュリー」と名づけて広めました。

現在も、サン=ジュニ=レ=ヴィラージュ(旧サン=ジュニ=シュル=ギエール)を訪れた際には、
本家ラビュリーのパティスリーに立ち寄って、この名物ブリオッシュを味わうのが旅の楽しみのひとつになっています。

by Pérolle Sandy

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