パリ『ガブリエル・シャネル:モードのマニフェスト』展

拡張工事のための2年間の閉館を経て、2020年10月1日に再オープンするパリ市立ガリエラ宮モード美術館(Palais Galliera)で、「ガブリエル・シャネル:モードのマニフェスト」展(Gabrielle Chanel, manifeste de mode)が開催されます。期間は2020年10月1日から2021年3月14日まで。

本展は、偉大なデザイナー・ガブリエル・シャネル(1883-1971)のフランスでは初めてとなる回顧展です。
シャネルは1912年から、それまでポール・ポワレの独壇場だった婦人服の製造に進出し、最初の店をオープンしたドーヴィルでも、続いて出店したビアリッツやパリでも、モードの世界に革命を起こしました。それはまさに、同時代の女性たちの体の上に「モードについてのマニフェスト」を印刷するようなものでした。今回の展覧会ではシャネルのこうした側面をテーマとしています。
時代を超えた世界観とスタイルの発見へといざなう本展は、ガリエラ宮1階にオープンする新展示室を含む総展示面積1500 m²の会場で開催されます。

マリニエール、シャネルN°5、リトル・ブラック・ドレス

今回の展覧会では350以上の作品を展示します。作品は、ガリエラ宮モード美術館の所蔵品やパトリモワーヌ・ド・シャネル、そしてロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館やサンフランシスコのデ・ヤング美術館、チリ、サンティアゴのモード美術館、ベルギー、アントワープ州立モード美術館(MoMu)といった外国美術館や個人コレクションから出展されたものです。
展示は、伝説のファッション・クリエイター、シャネルの仕事の変遷や創意あふれる精神が理解しやすくなるよう、年代順に構成されています。第一部では、有名な1916年のジャージー素材のマリニエール(セーラー風ブラウス)など、いくつかの象徴的な作品とともに最初期の作品を紹介します。つづいて、リトル・ブラック・ドレスや1920年代の「狂乱の時代」のスポーツ・ウェアから1930年代の洗練されたドレスまで、シャネルの「シックで上品な」スタイルの変遷をたどります。1921年に発表され、ココ・シャネルの精神の真髄とされる名高い香水シャネルN°5は、ひとつの展示室全体を使って紹介されています。

黒とベージュのツイードスーツ、バイカラーシューズ、キルティングバッグ…

展覧会の第二部は来場者がシャネルのファッション・スタイルを読み解くことができるよう、テーマ別に構成されています。紹介されるのは、縁取りのついたツイードスーツやバイカラーシューズ、2.55ハンドバッグなど。基調のカラーはもちろん黒とベージュですが、赤や白、金も使われています。もちろん、「マダム・シャネル」のスタイルに欠かせないイミテーションジュエリーと高級ジュエリーも展示されます。
展覧会場のあちこちに飾られたシャネルの10枚のポートレート写真は、彼女がいかに自身のブランドを体現する存在であったかを物語っています。しかしそれも第二次世界大戦中にブティックを閉鎖するまでのことでした。この時期は、パリのカンボン通り31番地の店での香水とアクセサリーの販売事業のみが継続されていました。
戦後、クリスチャン・ディオールと「ニュー・ルック」が登場します。しかし、シャネルはコルセットを利用したこのスタイルに異議を唱えました。彼女はすぐに行動を起こし、1954年、大きな話題となるカムバックを果たします。こうして、ガブリエル・シャネルはもう一度、時代に迎合することのない「モードのマニフェスト」を掲げることになったのでした。

実用情報 

ガリエラ・モード博物館 10 avenue Pierre Ier de Serbie 75116
通常14€、18〜26歳12€、17歳以下無料
2020年10月1日~2021年3月14日(火曜日~日曜日 10時~18時、木曜日と金曜日は21時まで開館)

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