フランス王の戴冠式が行われるランスの見どころを紹介

ランスのノートルダム大聖堂

パリの北東、シャンパーニュ地方に位置するランスは、フランス王が代々戴冠式を行ってきた大聖堂の街。フランスで活躍した明治の画家、藤田嗣治が洗礼を受けたのもこの大聖堂です。また、シャンパーニュの本場でランスでは、世界文化遺産に登録されたシャンパーニュセラーを訪れることもできます。

戴冠式とシャンパンの町

歴代フランス国王の聖別戴冠式の舞台となった町ランス。町を歩けば、世界遺産に登録されているノートルダム大聖堂、トー宮殿、サン・レミ聖堂とサン・レミ博物館がすぐに目に飛び込んできます。そしてなんといってもシャンパンの町。有名なシャンパンメゾンのカーブが立ち並びます。

ユネスコの世界遺産

  • ノートルダム大聖堂Cathédrale Notre-Dame :ヨーロッパゴシック芸術を代表する建造物。13世紀に建立されたこの壮麗な聖堂でフランス国王25人の戴冠式が挙行されました。正面広場の一角には、かのジャンヌ・ダルクの騎馬像があります。英仏百年戦争で、17歳だった彼女はフランス最後の砦となっていたオルレアンへ進軍し、7か月もの間イギリス軍に包囲されていた街をわずか1週間で解放。パリを追われた王太子シャルルへ、ランスで戴冠式を行うことを進言し、実現させたのでした。

  • トー宮殿Palais du Tau :かつては大司教の居所だった建物。現在は博物館になっており、隣接するノートルダム大聖堂の宝物や、聖堂にあった彫像の一部が展示されています。9世紀のシャルルマーニュの護符や、12世紀の聖別式の聖杯など貴重な物品が展示されており、フランス国内で最も充実した宝物殿と言われています。

  • サン・レミ聖堂Basilique Saint-Remi: 11世紀に創建されたロマネスク・ゴシック様式の聖堂。歴代フランス王の戴冠式で使われたサント・アンプール(聖油瓶)や、498年にクロヴィスに聖別を授けたサン・レミ司教の聖遺物が収められています。

シャンパーニュ・カーヴ

シャンパーニュの本場ランスには、多くのシャンパーニュメゾンがあり、それぞれがワイン蔵の見学、試飲を受け付けています。2015年にはシャンパーニュのブドウ畑やセラーが世界文化遺産に登録されました。シャンパーニュのボトルが並び、夏でもひんやりと涼しい熟成庫やセラーは、ランスに行くなら一度は訪れたいスポットです。

【フランス王の戴冠式が行われるランスの見どころを紹介】

その他の見どころ

フジタ礼拝堂:明治時代にフランスで活躍した日本人画家、藤田嗣治がG.H.Mumm(マム)社の資金支援を受け、マム社の敷地内に建てた礼拝堂があります。内部には、藤田が独自の手法で制作したフレスコ画を見ることができます。

イベント

  • ノートルダム大聖堂の光のスペクタクル(5月下旬から8月の日没後):大聖堂のファサードでのプロジェクションマッピング。最新技術を駆使したカラフルでダイナミックなスペクタクルを建物外壁に映します。

  • ジャンヌ・ダルク祭(6月第1週末):毎年、中世の装束などを身にまとった人々がさまざまなパフォーマンスを披露。祭りの目玉は、戴冠式の大パレード。中世の衣装を着た2,000人を超える人々がジャンヌ・ダルクとシャルル7世に付き添い、ノートルダム大聖堂まで練り歩きます。

  • ランス音楽祭(6月中旬~7月中旬):1カ月以上 にわたり、毎日、著名な演奏家によるクラシックやジャズのコンサートを開催。その多くが無料。ノートルダム大聖堂、サン・レミ聖堂、トー宮殿などの歴史的建造物や、コンサートホール、庭園のほか、思いがけない場所で演奏が披露されている。

  • ランス・クリスマス祭り(11月末~1月末):クリスマス村(フランス第三の規模を誇るクリスマスマーケット)がオープンし、伝統の品々を売る市が立つ。音楽イベント、「サンタクロースの家」などがシャンパーニュ地方のクリスマスを独特の雰囲気で演出。「クレッシュの道Chemin des Crèches」をたどれば、シャンパーニュ地方のブドウ畑を抱える村々のクレッシュ(キリスト生誕の様子を人形で表現した飾りつけ)が楽しめる。

アクセス

TGV(高速列車)でパリから45分、ストラスブールから1時間55分、ブリュッセルから2時間10分

Reims 

2 rue Guillaume de Machault, 51100 Reims