2019年リールで開催 Lille3000のテーマは「エルドラド」

3年に1度、リールに世界のアーティストが集まり、多様な文化イベントを催す「Lille3000」。開催5回目となる2019年のテーマは、メキシコの伝説「エルドラド(黄金郷)」。様々な展覧会や催し物を通して、リールの街全体が新たな変貌を遂げる様子をご覧ください。

5回目の開催となる次回のリール3000のテーマは「エルドラド(黄金郷)」。2019年の春から秋まで続く大規模な祭典となります。4月27日の開幕式を筆頭に、約500以上の催しが数か月にわたって、リールとその周辺地域で行われます。

世界のアーティストが勢ぞろい

リール3000のアートプログラムには、内外からのアーティストが参加予定です。中国人造形芸術家チェン・ゼン、グラフィティアーティストSPAIK、フランス人アーティストのジュリアン・ソロー、テレサ・マルゴレス、チウ・ジージエ、アデル・アブデスメッド、ケンデル・ギアズ、ミルチャ・カントル、マリア・ホセ・アルジェンツィオ、シンシア・グティエレス…など、そうそうたる顔ぶれが揃います。
今回のイベントに合わせ、トリポスタル、サン・ソヴール駅、リール美術館、自然史博物館、オスピス・コンテス博物館など、多くのリール市内の文化施設が黄金郷にその姿を変え、2019年4月から12月にかけて一般に公開されます。
リールの近郊地域でも、数々の文化施設がイベントと提携します。ランベルサールのコリゼ、マルク=アン=バルールのラ・コルドリ、トゥールコワンのウジェーヌ・ルロワ美術館、ヴィルヌーヴ=ダスクのリール・ヴィルヌーヴ=ダスク・アウトサイダーアート近現代美術館などが名を連ねています。

黄金郷伝説と宝探し

今回の大掛かりなプロジェクトの題材となった「エルドラド」伝説。南米大陸に「エルドラド」という黄金郷が存在すると信じ、約4世紀もの間、夢見るヨーロッパのコンキスタドールたちが宝探しの旅に出たものでした。
「エルドラド」祭開催にあたり、リールの街はこの上なく豪華に装飾され、かつて人々が求めてやまなかった南米の幻の都市を思い起こさせます。私たちは、歴史的叙事詩を振り返ると同時に、現代に通じる歴史を再考することができるでしょう。

「エルドラド」祭には、人々の社会参画意識を醸成する一面もあります。展覧会やイベントは、人々にこの世界の「豊かさ」や「価値」について考えさせます。例えば、参加アーティストのひとり、チェン・ゼン氏は、代表作『Precipitous Parturition』を通して、変化する世界についての問いを投げかけます。
リール3000は誰もが気軽に参加し、一つになって交流できる場です。これからの新しい世界、社会、人間の在り方や、いかに共存していくかという問題について、企業、アーティスト、市民同士が考え、意見を交え合えるのです。

理想を追求する

リールが欧州文化首都に選ばれた2004年以降、この地方の文化的な盛り上がりの勢いはリール3000に継承されています。2019年の開催に向けても、リールは改革と未来に向けて大胆に舵を切り、経済とニューテクノロジー、今後の都市計画の在り方、社会と文明の変化といった多種多様なテーマについて、人々に問いかけます。
フランスの現代美術家アデル・アブデスメッド氏の作品「Hope」の主題ともなった、より良い世界を探し求める移民たちの様々な移動の流れに、リール3000でも光が当てられています。私たちは皆、新しい「エル・ドラド:全ての人にとっての理想郷」を急ぎ見つけんと追い求めているのです。

実用情報 

2019年4月27日~12月9日
リールとその近郊

詳細情報 

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