グラン・パレ再オープン

イベント

パリ

  • 日付2025年6月7日 ~ 9月1日 まで
  • 場所パリ

パリ グランパレ
© Simon Lerat / Grand Palais RMN - パリ グランパレ

この記事は 0 分で読めます2025年6月6日に公開

2021年3月12日、グラン・パレは4年間にわたる大規模改修のため閉館しました。 2024年夏から段階的に公開が再開され、そしてついに2025年6月6日、全面リニューアルオープン! これまで一般公開されていなかったエリアにも、初めて足を踏み入れることができます。

グラン・パレ、未来へつなぐ改修とは

グラン・パレが本格的な改修に踏み切ったのは、建物の魅力を未来へ受け継ぐためでした。

1900年のパリ万博のために建てられて以来、時代とともに少しずつ修復が進められてきたグラン・パレ。ガラス屋根のある大展示室やギャラリー、回廊空間などが順次整えられてきましたが、長らく手つかずだった場所や、安全基準を満たさず使われていなかった空間も残されていました。

2021年からの大規模改修では、そうした課題を解決するとともに、建物本来の美しさと機能を取り戻すことが目的とされました。

今回の工事では、建築当時の装飾や彫像の修復、シャンゼリゼからセーヌ川へとつながる眺望の再生、自然光が降り注ぐ天窓の再整備などが行われました。また、1960年代に導入された空間デザインの再評価や、館内設備の刷新、バリアフリー対応の強化も進められています。

グラン・パレは、歴史と革新が共存する新たな文化空間として、まもなく本格的に生まれ変わります。

パリ グランパレのファサード
© Simon Lerat / Grand Palais RMN - パリ グランパレのファサード

段階的に進められてきたグラン・パレの再公開。
2024年夏から一部エリアの一般公開が始まり、まずはパリ2024オリンピック・パラリンピックのフェンシングとテコンドーの競技会場として、大展示室(ネフ)がよみがえりました。秋には、その象徴的なガラス天井の下でイベント開催も再開。

2024年冬からは、美術展も徐々に本来の場を取り戻し、アートや文化を愛する人々を再び迎え入れています。
復活を象徴する最初の展覧会として開催されたのは以下の2つです:

  • 「塩田千春:魂がふるえる」(2024年12月11日〜2025年3月19日)
    赤い糸を使ったインスタレーションで知られるアーティストの詩的で夢幻的な世界を体感。
  • 「ドメニコ&ステファノ ドルチェ&ガッバーナ展:心から手へ」(2025年1月10日〜3月31日)
    イタリアのオートクチュールを支える職人技と創造性に迫る展示。

そして2025年6月からは、ポンピドゥー・センターとの新たな連携が始まります。
2025年から2030年まで改修工事に入る同館に代わり、グラン・パレがそのコレクションと企画展を受け入れる拠点となります。

両館によって年間4本の共同企画展が開催される予定で、注目のラインアップには次のような展覧会が含まれます:

  • 「ニキ・ド・サンファル、ジャン・ティンゲリー、ポンテュス・フルテン」
    20世紀美術を代表する3人の創造的な関係性に迫る展示。
  • 「アール・ブリュット展:デシャルム・コレクションより」
    型にはまらない自由な表現によるアートの魅力を紹介。

Chatillon Architectes / Grand Palais RMN
© Chatillon Architectes / Grand Palais RMN

グラン・パレ再開後の大きな見どころのひとつが、新たに誕生する夏の文化イベント「グラン・パレ・デテ(Grand Palais d’été)」です。

毎年6月から8月にかけて、建物中央の大空間が3つのゾーンに分けられ、多彩なプログラムが展開されます。コンサート、アートパフォーマンス、子ども向けワークショップ、さまざまな文化イベントがひとつの空間で同時に繰り広げられる予定です。

この取り組みは、グラン・パレを誰もが集い、楽しめる「暮らしと文化の拠点」として位置づけ直すことを目指すもの。パリの夏を彩る、まったく新しい文化のハブが誕生します。

by Raymond Marie

観光と文化を専門とするジャーナリスト、マリーの密かな楽しみは「どこでも執筆すること」──ただし、オフィスは例外。 時代の空気や日々の移ろいの中に、彼女のインスピレーションの源があります。