ブルターニュのグルメ

フランス北西部で独特の文化を形成するブルターニュは食の面でも個性的です。乳製品に恵まれたバターをふんだんに使った郷土料理は美味しく、魚介類も新鮮。お腹一杯の時はクレープにシードル。おみやげも、陶器や、マリングッズ、ケルトのCDにお菓子などショッピングが楽しい土地です。

豊富な乳製品、クレープとシードル

なかでも、この地方の食を特徴づけているものがバター。バターは太りそう・・・と避けていては大損。その香りと味わいは格別で、ブルターニュで本物のバターの味を知ることになるでしょう。パンに塗るのはもちろん、料理もバターがベース。ほかの地方と違って有塩バターが主流で、中には大きな塩の粒が入っているものもあります。スーパーマーケットのバターの棚を見ると、その種類の多さと売り場の大きさに圧倒されます。

海に囲まれているだけに、魚介類も豊富。カキをはじめ、いろいろな貝やエビ、カニなどが豪華な「海の幸の盛り合わせ」は一度はオーダーしたいもの。高級なオマール(海ザリガニ)も名産です。

エルキーの港では、周辺のレストランでホタテ貝を食べる前に、猟師たちが貝でいっぱいの袋を船から下すのをぜひ見学してください。更に、サバのリエットや海の幸の盛り合わせも味わってください。

カンタルの港には、味の景勝地(Site remarquable du goût)の認証を受けるにふさわしい、フランスで最も有名な牡蠣の盛り合わせがあります。

ブルターニュ地方の人々は、豚のリエット、生ハムに燻製ハム、エナフのポークパテ、そしてゲメネのアンドゥイユといった、素晴らしく多彩な豚肉加工品も生産しています。毎年8月には、モルヴァン地方の中心、ゲメネ=シュル=スコルフゲメネでアンドゥイユの祭りが開かれます。

ブルターニュのシードル

ブルターニュのシードルは、ノルマンディーのものと一緒に、IGP(保護指定地域表示)の対象です。ロワイヤル・ギルヴィック(Royal Guillevi)は、ラベル・ルージ(Label Rouge)を獲得したシードルです。しかし、ブルターニュのビールや、水かワインの中ではちみつを発行させることでできるリキュールのシュションも同様です。

ブルターニュのお菓子

バターが名産だけあって、バターを使ったお菓子は種類も豊富。

有名なのは、独特の鉄板やフライパンで生地を薄く焼き上げるクレープ。蕎麦粉のものをガレットと言い、中身はチーズ、ハム、卵などの塩味のもの。小麦粉のものがクレープで、生クリームやバナナなど甘いものが具でデザートに食べます。バターだけ、砂糖とレモンだけなどのシンプルな味もあります。ブルターニュの町には必ずクレープリー(クレープの店)があり、独自のガレット、クレープを作っています。軽い食事にぴったりなので、各地で食べ比べてみるのもおもしろいでしょう。

有塩バターをたっぷり使った名物菓子には、プラムの入った「ファー・ブルトン far breton」や日本でも知られるようになった「クイニー・アマン kouign-amann」、「ガト・ブルトンGâteau Breton」というバターケーキなどがあります。

また、クッキーの種類も豊富。日持ちするのでおみやげに最適です。有名なものは、ディナンのクレープ・ダンテル、ポン・タヴェンのガレット、レンヌのプラリネなどです。

ブルターニュのおみやげ

カンペールでは素朴な絵柄で人気の陶器「カンペール焼」が有名。ブルターニュ各地の民族衣装に身を包んだブルトンたちや、伝統的な模様が描かれていて、素朴な味わいが食卓を和ませてくれます。皿やボウル、カップなど形の種類もサイズも豊富です。

漁業で知られる地方ブルターニュには、魚の缶詰もいろいろ。日本にはない味付けのものもあるので、つい試したくなります。「イワシのレモン風味」、「イワシのトウガラシ、トマト、ニンニク風味」はキブロンやベル・イルの特産。

ブルターニュの食卓で欠かせないのがリンゴから作る発泡酒シードルCidre。6世紀頃から生産されていたと言われるほど歴史があるシードルは、ワインと同様、産地によって異なる香りや味わいが楽しめます。クレープとシードルの組み合わせは永遠の定番で、クレープ屋さんには必ず置いています。店によってはグラスではなく、まるで湯飲みのような伝統的なボウルで飲ませてくれます。農家直売のシードルを樽から注ぐところもあるので、店によってそれぞれ違った味が楽しめるのも地元ならでは。

シュシェンChouchenはイドロメルとも呼ばれ、ハチミツからつくるお酒です。最近人気なのは、各地で生産が盛んな地ビール。酵母が生きているので、フルーティーな香りと豊かな味わいが感じられます。珍しいところでは、海の国ならではの、「海水から作ったビール」などはいかが?

ヨットマンなら誰でも知っているヨット用ウエアの店が多いのも、ヨットレースで活躍するフランス人はほとんどブルターニュ出身、と言われるほどマリンスポーツが盛んなブルターニュならでは。マリンシャツやヨット用のジャケットなどの種類が豊富です。紺色と白の定番の組み合わせのほかに、カラフルな色も登場しています。ブルターニュを旅していると、帰国までに1~2枚は買ってしまいそう。

キブロンでは、キャンディーをなめながら海岸を散歩している人に出会うはず。これはニニシュNinicheというキブロン名物。いろいろな味があり、キャラメルはもちろんブルターニュの有塩バターを使ったものです。

そのほか、ケルト音楽のCDや、ケルト模様のアクセサリー、Tシャツなども人気です。

海草がブーム?

昔は飢饉のときにしか食べなかったという海草ですが、タラソテラピーなどで海藻成分の効果が認識されたことから、最近は肌にいい成分を持つものとして見直されています。石けんやシャンプー、バスソルトなどにも配合され、女性に人気です。タラソセラピーセンターによってはオリジナルのラインを出しているところもあります。

健康食品として食べる人も徐々に増えているようで、中にはノリ、ワカメなど日本の名前がつけられ、おしゃれにパッケージされたものも。また、海草入りの塩、海草入りのキャラメルなども登場しています。

ブルターニュの名物料理を発見し、味わう

  • ラ・トリニテーヌ(LaTrinitaine):このビスケットメーカーは、大西洋沿岸に約40か所の販売所があります。
  • ラ・ベリロワーズ(ConserverieLa Belle-Iloise):魚をベースにした缶詰やスープの製造過程を見てみましょう。

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